《DOOM》
「バンド名の由来?」
「「はあーーーぁ?」」
「あっ、アッキー! タバコ落ちるよっ!」
「はい、灰皿です」
「あ、ありがと。
つうかぁ、ちゃんと3人で相談したよね? ハルタくん?」
「はい、ちゃんと3人で話し合いましたよね? アキトさん?」
やたらと3人の部分に力を込めながら発した言葉の後に、怪訝な顔を見合わせていた二人は、同時にナオヤへ視線を移した。
「う…うん。そうだよねぇー。
なんで、覚えてないんでしょ? オレ?」
「さあー、記憶喪失なんじゃねぇの」
「さーあ、あれですよ。ニワトリと一緒なんですよ、きっと」
片方は吐き捨てるように云って、またヘッドホンに手を伸ばし、もう片方は呆れ果てたように云って、またマンガに手を伸ばした。