《DOOM》
「あの〜、なんか二人とも本番前にかなりの余裕ですね。僕、めちゃくちゃ緊張してますよ〜。
結構、お客さん入ってるみたいですし」
「「緊張してるよ、オレ(俺)も」」
「あっ! 珍しくハモりましたね! しかも、意外に長めのセリフです」
「あのね、ハルちゃん! 手のひらに“ヒト”って書けばイイんだよ。こうやってね……」
「オイオイ、“ヒト”くらい漢字で書いてね、ナオヤくん。カタカナだとハングル文字みたいになっちゃうよ。
しかも、書いて終わりなの!? オマエ? それだけ?」
「はぁ〜、それぐらい僕だって知ってますよ、ナオヤさん。
こうやって書いて、飲み込むんです。人に呑まれないようにあらかじめ呑んでおくんです」
「あれ、そうなの?
そうなの、アッキー?」
「そうだよ。ったく」