27センチ
「今のはセーフだったよなぁユキちゃん!?」
今まで蚊帳の外だった私に、突然遠藤くんの荒い言葉が降りかかる。
え!わたし!?
突然のことに思わずきょとんとしていると、遠藤くんの肩越しに店長と目があった。
私の心臓は一気に高鳴る。
全然の血が沸騰したように脈打つ。
ただ目があっただけなのに…。
と、なんだか店長ジェスチャーしてる?
改めて見返すと、
口を『ア・ウ・ト』の形にパクパクさせて、
両手の人差し指で『×』マークを作っていた。
もちろん、大好きな無邪気な笑顔付きで。
そんな姿に思わず吹き出してしまうと、遠藤くんに「ねぇ〜」と覗きこまれた。
遠藤くんなら全然平気なんだけどなぁ…。
なんて、遠藤くんに失礼かな。
「ユキちゃん!セーフセーフ!ね?」
「え〜アウトだよ。」