27センチ

「今のはセーフだったよなぁユキちゃん!?」



今まで蚊帳の外だった私に、突然遠藤くんの荒い言葉が降りかかる。



え!わたし!?



突然のことに思わずきょとんとしていると、遠藤くんの肩越しに店長と目があった。


私の心臓は一気に高鳴る。
全然の血が沸騰したように脈打つ。



ただ目があっただけなのに…。



と、なんだか店長ジェスチャーしてる?

改めて見返すと、

口を『ア・ウ・ト』の形にパクパクさせて、

両手の人差し指で『×』マークを作っていた。


もちろん、大好きな無邪気な笑顔付きで。




そんな姿に思わず吹き出してしまうと、遠藤くんに「ねぇ〜」と覗きこまれた。

遠藤くんなら全然平気なんだけどなぁ…。

なんて、遠藤くんに失礼かな。



「ユキちゃん!セーフセーフ!ね?」

「え〜アウトだよ。」


< 4 / 10 >

この作品をシェア

pagetop