27センチ

私の一言で勝敗は決まったみたい。

遠藤くんはガックリして、店長はニコニコ。


「ほら!ユキちゃんの意見に賛成!」

店長に呼ばれると、なんだか自分の名前が特別みたい。




大好きな人の笑顔を見れて、

大好きな人に名前をよんでもらえて、


それだけで十分幸せだったのに、今日は更にプレゼントがあった。




ご満悦と言わんばかりの店長は、ポケットに手を入れながらゆったりと私に歩み寄る。



そして、



その手は、





私の頭へ乗せられた。




ポンポンと2回軽く叩かれて、そのままくしゃくしゃに撫でられる。


「よく言ったユキちゃん!えらいえらい。」


店長の手は、私の頭をスッポリ覆ってしまうほど大きかった。


身長は私より頭一つくらい大きいけど、

手のひらも大きかったんだなぁ…。




また一つ店長の発見をしたこととか、

私の髪の毛に触れる指先とか、

幸せすぎて倒れてしまうかと思った。


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