いつまでも、夢見せる王子じゃいられない
高校最後の特別ライブ決定
放課後、真琴、樹里、詩音、早紀 の4人は久しぶりに Beat Cellar へ足を運んだ。
「マスター、ちょっといい?」
カウンターの向こうでボトルを並べていたマスターが向き直って、4人を見てニヤリと笑った。
「おう、桜影勢じゃねぇか。今日は何の用?」
「……ちょっと、挨拶に来たんだ」
真琴が言うと、マスターは「お?」と興味深そうに眉を上げる。
「挨拶?」
「うん。高校生活もあと半年くらいだし……次のライブが終わったら、受験のために少し活動を休止しようと思って」
「そっか」
マスターは軽くうなずいた。
「それで、一旦区切りになるから、今のうちにちゃんとお礼を言っておきたくて」
「ふーん」
マスターは、4人を見回した。
「ま、しばらくライブできなくなるってのは寂しい話だが……でも、お前らが真面目に進路考えてるなら、それも仕方ねぇな」
「うん」
「で?」
マスターは腕を組み、ニヤリと笑った。
「次のライブは、トリを任せようと思ってたが、それだけじゃつまらないな」
「それだけじゃつまらない、って?」
詩音が首をかしげると、マスターはカウンター越しに4人を見回した。
「お前ら、フェスで成功して、今やトップクラスの高校生バンドだ。だったら、‘桜影の夜’ をやらねぇか?」
「…… ‘桜影の夜’?」
「そうだ。お前らがメインの ‘卒業記念ライブ’ だよ。」
「マジで?」
樹里が思わず声を上げる。
「マジだよ」
マスターは満足そうにうなずく。
「完全なワンマンってわけにはいかないが、倍の枠を用意する。他のバンドも入れるが、桜影がメインだ」
「……」
真琴は一瞬、言葉を失った。
「そんなこと、してくれるの?」
「当然だろ」
マスターはグラスを手に取り、軽く振った。
「お前ら、Beat Cellarの ‘顔’ みてぇな存在になってんだからな」
「……そっか」
真琴はマスターの言葉を噛み締めるようにうなずいた。
Beat Cellarは、真琴たちが初めて本格的なライブをした場所。
ここで何度も演奏し、成長してきた。
そんな場所で、「高校最後の特別ライブ」 をやれるなんて——。
「……やろう」
「マスター、ちょっといい?」
カウンターの向こうでボトルを並べていたマスターが向き直って、4人を見てニヤリと笑った。
「おう、桜影勢じゃねぇか。今日は何の用?」
「……ちょっと、挨拶に来たんだ」
真琴が言うと、マスターは「お?」と興味深そうに眉を上げる。
「挨拶?」
「うん。高校生活もあと半年くらいだし……次のライブが終わったら、受験のために少し活動を休止しようと思って」
「そっか」
マスターは軽くうなずいた。
「それで、一旦区切りになるから、今のうちにちゃんとお礼を言っておきたくて」
「ふーん」
マスターは、4人を見回した。
「ま、しばらくライブできなくなるってのは寂しい話だが……でも、お前らが真面目に進路考えてるなら、それも仕方ねぇな」
「うん」
「で?」
マスターは腕を組み、ニヤリと笑った。
「次のライブは、トリを任せようと思ってたが、それだけじゃつまらないな」
「それだけじゃつまらない、って?」
詩音が首をかしげると、マスターはカウンター越しに4人を見回した。
「お前ら、フェスで成功して、今やトップクラスの高校生バンドだ。だったら、‘桜影の夜’ をやらねぇか?」
「…… ‘桜影の夜’?」
「そうだ。お前らがメインの ‘卒業記念ライブ’ だよ。」
「マジで?」
樹里が思わず声を上げる。
「マジだよ」
マスターは満足そうにうなずく。
「完全なワンマンってわけにはいかないが、倍の枠を用意する。他のバンドも入れるが、桜影がメインだ」
「……」
真琴は一瞬、言葉を失った。
「そんなこと、してくれるの?」
「当然だろ」
マスターはグラスを手に取り、軽く振った。
「お前ら、Beat Cellarの ‘顔’ みてぇな存在になってんだからな」
「……そっか」
真琴はマスターの言葉を噛み締めるようにうなずいた。
Beat Cellarは、真琴たちが初めて本格的なライブをした場所。
ここで何度も演奏し、成長してきた。
そんな場所で、「高校最後の特別ライブ」 をやれるなんて——。
「……やろう」