いつまでも、夢見せる王子じゃいられない
卒業ライブセットリスト
「さて、‘桜影の夜’ のセットリストだけどさ」
樹里がギターを爪弾きながら切り出す。
「フェスと同じ感じでロックで固めるか、それとも……?」
「ううん」
真琴は首を振る。
「フェスの勢いはそのままに、今の桜影を全部詰め込むライブ にしたい」
「ってことは?」
詩音がワクワクした目で身を乗り出す。
「…… ‘詩音ステージ’ 、やっちゃう?!」
「最後だから、ちょっと驚かしたろ」
樹里がニッと笑う。
「ただのロックバンドで終わっちゃ面白くないだろ?」
「うん!」
詩音が笑顔でうなずく。
「それなら、演歌とアイドル歌謡、両方やりたい!」
「入りはアイドル歌謡の方がいいわね。で、演歌の後、どう繋ぐ?」
早紀が分析的な視点で尋ねると、詩音が「もちろん!」と笑う。
「‘泣きのギター’ に持ってくんだよ!」
「おー、なるほど」
樹里がニヤリと笑う。
「演歌の感情乗っけたまま、ウチが ‘泣き’ で爆発させるわけね?」
「うん!」
詩音が頷く。
「そこから一気にアップテンポのロックナンバーで盛り上げて……ラストのアンコールは?」
「……フェスでやった、真琴のドラムソロのやつしかないだろ」
樹里が言うと、詩音が勢いよく手を叩いた。
「それしかないっしょ!」
「じゃあ、決まりだね」
真琴がホワイトボードにセットリストをまとめる。
① ロック(桜影らしさ全開のスタート)
② 詩音ステージ(アイドル歌謡→演歌)
③ パワーアップした樹里の泣きのギター
④ アップテンポのロックナンバーで最高潮へ
⑤ アンコールはフェスで大好評だったドラムソロ入りのロック!
「よし、これで最高の ‘桜影の夜’ になるね!」
詩音がピースを見せると、みんなが笑顔で頷いた。
「……でも、さ」
不意に樹里が呟いた。
「これじゃ、早紀の見せ場なくね?」
「いいのよ」
早紀は静かに微笑んだ。
「私は ‘縁の下の力持ち’ が存在意義だから」
「でも——」
「分かる人には、ちゃんと分かるわ」
そう言って、ベースを手にする。
「……そっか」
樹里は少し考えてから、ニヤリと笑った。
「ま、確かに ‘桜影’ は早紀がいねぇと成り立たねぇしな」
「そういうこと」
早紀がクスッと笑うと、詩音も笑顔になった。
「よーし! じゃあ、最高の卒業ライブにしよう!」
「うん!」
真琴が力強く頷く。
4人は拳を合わせ、高校最後のライブに向けて全力を尽くすことを誓った。
樹里がギターを爪弾きながら切り出す。
「フェスと同じ感じでロックで固めるか、それとも……?」
「ううん」
真琴は首を振る。
「フェスの勢いはそのままに、今の桜影を全部詰め込むライブ にしたい」
「ってことは?」
詩音がワクワクした目で身を乗り出す。
「…… ‘詩音ステージ’ 、やっちゃう?!」
「最後だから、ちょっと驚かしたろ」
樹里がニッと笑う。
「ただのロックバンドで終わっちゃ面白くないだろ?」
「うん!」
詩音が笑顔でうなずく。
「それなら、演歌とアイドル歌謡、両方やりたい!」
「入りはアイドル歌謡の方がいいわね。で、演歌の後、どう繋ぐ?」
早紀が分析的な視点で尋ねると、詩音が「もちろん!」と笑う。
「‘泣きのギター’ に持ってくんだよ!」
「おー、なるほど」
樹里がニヤリと笑う。
「演歌の感情乗っけたまま、ウチが ‘泣き’ で爆発させるわけね?」
「うん!」
詩音が頷く。
「そこから一気にアップテンポのロックナンバーで盛り上げて……ラストのアンコールは?」
「……フェスでやった、真琴のドラムソロのやつしかないだろ」
樹里が言うと、詩音が勢いよく手を叩いた。
「それしかないっしょ!」
「じゃあ、決まりだね」
真琴がホワイトボードにセットリストをまとめる。
① ロック(桜影らしさ全開のスタート)
② 詩音ステージ(アイドル歌謡→演歌)
③ パワーアップした樹里の泣きのギター
④ アップテンポのロックナンバーで最高潮へ
⑤ アンコールはフェスで大好評だったドラムソロ入りのロック!
「よし、これで最高の ‘桜影の夜’ になるね!」
詩音がピースを見せると、みんなが笑顔で頷いた。
「……でも、さ」
不意に樹里が呟いた。
「これじゃ、早紀の見せ場なくね?」
「いいのよ」
早紀は静かに微笑んだ。
「私は ‘縁の下の力持ち’ が存在意義だから」
「でも——」
「分かる人には、ちゃんと分かるわ」
そう言って、ベースを手にする。
「……そっか」
樹里は少し考えてから、ニヤリと笑った。
「ま、確かに ‘桜影’ は早紀がいねぇと成り立たねぇしな」
「そういうこと」
早紀がクスッと笑うと、詩音も笑顔になった。
「よーし! じゃあ、最高の卒業ライブにしよう!」
「うん!」
真琴が力強く頷く。
4人は拳を合わせ、高校最後のライブに向けて全力を尽くすことを誓った。