ヒミツの恋―不倫―
雰囲気のある個室に案内された。
さっきと違う薄暗いオレンジ色の照明に照らされた仁くん…
超かっこいい//
『なんか2人だと照れちゃうね』
そう言ってお酒を飲む仁くんを見ながら
後悔したくない、そう思った。
『仁くん、番号教えてほしいの。今日っきりなんて淋しいよ…』
思わず出てしまった言葉に、
仁くんはまたニコっと笑って
『俺、さっき番号聞きたくて追いかけたんだよ。先に言われちゃったなあ。』
そうだったんだ…
それで助けてくれたんだね。
もう一度お礼言わなきゃ。
『さっきはほんとにありがとね。お礼しなくちゃ』
そう言うと仁くんが…
『お礼はデートでいいよ♪』
デ、デート?!
デートに誘ってくれるって事は
仁くんも私のこと気に入ってくれてるのかな?
『俺、毎週火曜は仕事休みなんだ♪あずチャンも火曜休みだろ?さっき裕二に話してるの聞いてたんだ』
『うそ?!休み一緒なんだね♪じゃあ火曜日に決定だね♪』
私は嬉しすぎてニヤニヤが止まらない。
『あずチャン、じゃあ来週の火曜日だね♪大丈夫?』
『大丈夫♪楽しみにしてるね』
さっきまでは無口だった仁くんが
なんだか2人きりだとよく話してくれる
ドキドキが止まらない
……匡のことが頭に浮かんだけど
自分を止めることができなかったんだ。
デートは助けてくれた仁くんへのお礼。
それ以上の関係になんてならないんだ。
自分にそう言い聞かせてた。
自分の気持ちに気付いてるくせに。
私ってずるい。