ヒミツの恋―不倫―
『可愛いね、あず♪』
そう言って頭をポンポンって撫でてくれる。
もう私は完全に
この人のことが好きなんだ。
私達はテーマパークを出た。
車に乗り込むと
『飯どこがいい?』
『2人でゆっくり食べれるところがいい』
『OK♪じゃあ行こう』
車が走り出した。
もうお別れの時間が迫ってる…
もっともっと一緒にいたい。
『また連れてってね』
そう言うと
仁くんが私の手を握ってくれた。
『また来ような♪』
その笑顔が大好き。
でもその笑顔を見るのが今はつらい。
私は既婚者。
それを知ったら仁くんはどんな顔をするのかな…
いつ言えばいいの?
話すタイミングが掴めない。
言わなきゃ…言わなきゃ…
そうしてる間に
車はお店の駐車場にとまった。
『ついたよ♪お寿司でいい?』
私達は個室に案内された。
和風の造りなんだけど
すごくオシャレで雰囲気のいいお店。
仁くんが楽しそうで
その笑顔が消えるのが恐くて
言いたくない。
でも早く言わなきゃ
余計に仁くんを傷つけてしまう。
『あのね、仁くん…』
『何も言わなくていいよ』
…え?