ヒミツの恋―不倫―
自然とあずの手をとり
笑顔のあずを見ながら幸せを噛み締めた。
きっとつらい恋になる。
つらいってわかってながら
どんどんのめり込んでいく。
今日また更に
あずの可愛いところ、優しいところ、わがままなところ、怖がりなところ
見つけてまた好きになった。
素直なあずを見て、俺も素直になれた気がした。
まるで恋人同士だよな?
でも、ふと見ると
あずがたまに考え事をしている時がある。
その顔が哀しそうで淋しそう。
あずは俺に何か言おうとしている。
予感は的中。
あの事を言おうとしてるんだ。
『あのね、仁くん…』
『何も言わなくていいよ』
あずが驚いた顔をして黙ってる。
『俺、知ってるから。だから何も言わないで』
俺は知ってるよ。
あずには旦那も子供もいるってこと。
それでも好きなんだ。
あずがまた口を開く…
『…でも私、結…あっ』
言い終わる前に俺はあずを抱きしめた。