ヒミツの恋―不倫―
―あずさSide―




『またね』って言って別れた。



家に戻ってから
仁くんの香りが残るコートを抱きしめた。





『おかえり〜あず飯食ってきたの?』

優しい匡の声。


でも後ろめたくて目を合わせられない。


『食べてきたよ♪ありがとう。お風呂はいるね』


そう言って部屋を出た。







手を繋いで歩いた。
抱きしめあった。
キスをした。



浮気だ、不倫だ。





考えれば考えるほど胸が痛いんだ。苦しいんだ。





仁くんが大好き。


匡も大切。




選べないんだ。






私って最低。







今日は、旦那と一緒にベッドに入れなかった。


子供達の布団に潜り込みながら
私は仁くんの事ばかり考えてた。



家はそう遠くないんだった。

駅前のマンションで一人暮らししてるんだって言ってた。


会社まで車で行ってるって。

会社では課長さんだって。

趣味はスノボだって。

夏はジェットスキーするんだって。


私と趣味が一緒。
ってことは匡とも一緒。



次の火曜、天気が良かったらドライブに行こうって。


私たち、堂々と道を歩けない。

不倫だから。




仁くんはそれでもいいと言ってくれた。



次会えるまで一週間。




耐えられるかな…
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