The previous night of the world revolution5~R.D.~
俺の指示で、会場スタッフは、拡声器を使って観客達に説明した。
会場内の火災報知器が誤作動を起こし、警備隊を呼んで、今緊急点検中である。
万一のことがあっては大変なので、観客の皆様は、申し訳ないが、もう少し会場の外で待機して欲しい。
安全が確認出来次第、順次開場を開始する。現時点で、ライブの開始時間に変更はない。
繰り返し繰り返し、声が枯れそうになりながら、必死にそう説明した。
嘘八百ではあるが、観客達はようやく状況を説明され、少し落ち着いたようだった。
「なんだ点検か、それならさっさとそう言えよ」
「全くツイてないな」
「まぁ、でもライブ開始時間に間に合うんなら良かった」
「早く点検終わらないかなぁ」
なんて声が、あちらこちらから聞こえてきた。
ライブ後、新幹線や夜行バスを予約して帰宅する観客は大勢いる。
近場のホテルを予約している観客だっているだろう。
ライブ時間がずれ込み、彼らの予定を狂わせてしまったら、それだけで『frontier』が風評被害の矢面に立たされる。
この大事なライブの日に、何一つ手違いがあってはいけないのだ。
「済みません、アイズ、それにシュノさん」
「何?」
一緒に来ていたアイズレンシアとシュノさんに、俺はこう頼んだ。
「会場の外に待機して、観客の動向を見ててくれませんか。もし観客に被害が出そうになったら、対処願います」
「分かった。任せて」
「分かったわ、ルレイア」
病み上がりのアイズには、大変申し訳ないが。
そうしてもらうしかない。
「へい!アリューシャは?アリューシャ何したら良い?」
「狙撃ポイントについて、敵の捕捉を頼めますか」
「捕捉だけで良いの?足なり腕なり撃ち抜けば、無力化出来ると思うけど」
その通り。
アリューシャの腕なら、的確に狙い撃ってくれることだろう。それは心配してない。
でも。
「狙撃音が観客に聞こえたら不味いですからね。狙撃は最終手段ってことで」
「ちぇー。しょーがねぇな」
それに、ホールの外壁に穴を開ける訳にもいかないからな。
「ルルシーとルリシヤと俺で、デモ隊を蹴散らします。ついてきてくれますか?」
「当たり前だ。お前を一人で行かせるか」
「ふふ。任せてくれルレイア先輩。これしきの問題、俺達だけで華麗に解決してみせよう」
なんて頼もしい返事だ。
「では、行きましょうか」
俺達が大層楽しみにしてきた、この『frontier』のライブに。
ケチをつけようとする輩は、誰であっても許す訳にはいかない。
しっかり責任取ってもらわないとな。
会場内の火災報知器が誤作動を起こし、警備隊を呼んで、今緊急点検中である。
万一のことがあっては大変なので、観客の皆様は、申し訳ないが、もう少し会場の外で待機して欲しい。
安全が確認出来次第、順次開場を開始する。現時点で、ライブの開始時間に変更はない。
繰り返し繰り返し、声が枯れそうになりながら、必死にそう説明した。
嘘八百ではあるが、観客達はようやく状況を説明され、少し落ち着いたようだった。
「なんだ点検か、それならさっさとそう言えよ」
「全くツイてないな」
「まぁ、でもライブ開始時間に間に合うんなら良かった」
「早く点検終わらないかなぁ」
なんて声が、あちらこちらから聞こえてきた。
ライブ後、新幹線や夜行バスを予約して帰宅する観客は大勢いる。
近場のホテルを予約している観客だっているだろう。
ライブ時間がずれ込み、彼らの予定を狂わせてしまったら、それだけで『frontier』が風評被害の矢面に立たされる。
この大事なライブの日に、何一つ手違いがあってはいけないのだ。
「済みません、アイズ、それにシュノさん」
「何?」
一緒に来ていたアイズレンシアとシュノさんに、俺はこう頼んだ。
「会場の外に待機して、観客の動向を見ててくれませんか。もし観客に被害が出そうになったら、対処願います」
「分かった。任せて」
「分かったわ、ルレイア」
病み上がりのアイズには、大変申し訳ないが。
そうしてもらうしかない。
「へい!アリューシャは?アリューシャ何したら良い?」
「狙撃ポイントについて、敵の捕捉を頼めますか」
「捕捉だけで良いの?足なり腕なり撃ち抜けば、無力化出来ると思うけど」
その通り。
アリューシャの腕なら、的確に狙い撃ってくれることだろう。それは心配してない。
でも。
「狙撃音が観客に聞こえたら不味いですからね。狙撃は最終手段ってことで」
「ちぇー。しょーがねぇな」
それに、ホールの外壁に穴を開ける訳にもいかないからな。
「ルルシーとルリシヤと俺で、デモ隊を蹴散らします。ついてきてくれますか?」
「当たり前だ。お前を一人で行かせるか」
「ふふ。任せてくれルレイア先輩。これしきの問題、俺達だけで華麗に解決してみせよう」
なんて頼もしい返事だ。
「では、行きましょうか」
俺達が大層楽しみにしてきた、この『frontier』のライブに。
ケチをつけようとする輩は、誰であっても許す訳にはいかない。
しっかり責任取ってもらわないとな。