The previous night of the world revolution5~R.D.~
今や、帝国騎士団はルティス帝国帝国民の敵であった。

『天の光教』に限らず、中流階級以下の帝国民は、率先してデモに参加するようになった。

メディアは連日帝国騎士団批判、王政批判を繰り返し。

また、『青薔薇連合会』に対しても、大胆な行為に出始めた。

うちの本部や支部に、嫌がらせのように犬や猫の死体を送りつけてみたり。

外壁にスプレーで罵詈雑言書かれたりな。

とはいえ、『青薔薇連合会』はまだマシ。

一部の貴族や、帝立施設には、火炎瓶投げ込まれたりもしてるみたいだから。

当然、デモが過激になるにつれて、負傷者も増えてくる。

最初の、女子大での負傷者から一週間がたち、今や一連のデモで怪我をした人間は、十倍以上に増えていた。

だがあくまでこの数は、帝国民側の負傷者だ。

当然ながら、警察や帝国騎士団の人々にも怪我人は出ている。

それなのに、警察や帝国騎士団の方の怪我人については、全く報道されない。

お陰で、まるで警察と帝国騎士団が一方的に帝国民を攻撃しているかのように、人々は錯覚してしまう。

マスメディアと言うものの悪意を感じる。

あんまりにも苛烈に王政が批判されるものだから、もういっそこのまま王政廃止されてしまえば良いんじゃないかと思う。

俺は困らないし。

だが、実はもう一つ。

ルティス帝国には、ある変化が起きていた。
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