The previous night of the world revolution5~R.D.~
ルレイアが話しているのは、間違いなく。

ちょっと人前では言いにくい…お客様に、あれこれといかがわしい「サービス」をするお店のことだ。

俺もルレイアの経営する店に、何度か訪れる機会があったものだが。

正直、あまり思い出したくない。

それどころか、俺が訪れた店はどれも、やんわりと「サービス」するだけの、比較的ソフトな店らしく。

ルレイアが営業する店の中には、もっとガッツリと「サービス」する店もあるらしい。

俺は行ったことないし、怖いから行きたくないけどな。

しかしルレイアは、やんわりだろうがガッツリだろうが、定期的に自分の店に通っては、そこで働いている嬢(ルレイア・ハーレムの会員)をつまみ食いして回っているらしい。

我が相棒ながら、恐ろしい男だ。

で、そんなルレイアが今度は、災厄の後輩ルリシヤと組んで、何をしようとしてるんだ?

「お前ら…いかがわしいこと企んでるんじゃないだろうな?」

「そんな、ルルシーったら人聞きの悪い…。大丈夫ですよ。今度の店は、『ほどほどやんわり』なサービスしかしませんから」

ほどほどやんわりって何だ。

それは何処まで行くんだ。

「しかもそこは、ルリシヤと提携して、カジノを楽しみながら『ほどほどやんわり』出来るんですよ。新感覚で素敵でしょう?」

そんな新感覚は御免だ。

カジノしながら『ほどほどやんわり』って、地獄でしかない。

「店の使用料、嬢の指名料に加えて、カジノでも儲けられるんですから、良いプランですよねぇ」

「全くだ。万一負けても嬢に慰めさせれば良いし、逆に勝ったらおだてて、もっと金を落とさせれば良いからな」

「それ良いですね~!」

残虐な悪魔が二人。

餌食になるお客さんが、かわいそ…、

「ついでだから、新しい店で雇う嬢は、美女揃いにして、全員俺のハーレムに加えよっと」

…訂正。

餌食になるお客さんと、店の嬢が可哀想。

こうして、またルレイア・ハーレムの会員が増えていくんだな。

「それで、これがその新店舗開店に当たって、応募してきた嬢の候補達です」

ぴらっ、と応募用紙を見せてくるルレイア。

応募用紙は一人につき二枚。

一枚は履歴書みたいなものなんだけど、一般の履歴書にはないはずの記入欄がある。

男性歴、結婚歴、経験歴。

果ては、スリーサイズの記入欄まで。

生々しい。

そしてそれ以上に生々しいのが、添付されている女性の写真。

際どい水着姿で撮られている写真は、バストの部分と、顔が拡大されて写っていた。

見せんな。

「最低でも、C以上は欲しいですよねー」

「あぁ…。個人的には、D以上欲しいところだがな」

「ルリシヤ、あなたおっぱいフェチですね。D以上は結構貴重ですよ」

「だからだよ。おっぱいデカかったら、誰でも嬉しいだろ」

もうやだ。こいつら。

外でやれよ。摘まみ出してやろうか。

「…ん?」

そういえば。

そういういかがわしいお店と来たら。

「ルレイア、お前経営難だから、店整理するとか言ってなかったか?」

確か以前、そんな話をしていたような。

あれは、まだ『天の光教』が騒がれる前だったよな。

「あぁ、あれは整理しましたよ。古くなった嬢は捨てて、新しくて美味しいのだけ残しました」

最低だなお前。

「経営苦しいのに、新しい店出して大丈夫なのか?」

ルレイアなりに、経営戦略があるからの新店舗出店なのだろうが。

この時期に出店って、大丈夫なのか?
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