The previous night of the world revolution5~R.D.~
デモの発生件数は劇的に減り。

『天の光教』は、最早過去のものとなりつつあった。

同時に、王政廃止や、貴族制廃止。

更に、打倒帝国騎士団を叫ぶ人々も、激減していった。

いつの間にか、誰も言わなくなってきた。

王政廃止?あぁ、そういえばそんなこと言ってたなぁ、みたいな。

そりゃあのときは、食うに困ってたから。

でも今となっては、別に女王がいようが、帝国騎士団がいようが、どうでも良い。

むしろ、その女王と帝国騎士団が景気を回復させてくれたんだから、別に廃止する必要ないんじゃない?なんて空気にもなりつつある。

俺が、あれだけルチカ・ブランシェットに言ったろう?

自分さえ良ければ、人間はそれで幸せなんだって。

皮肉にも、その言葉が現実になっていた。

自分が困らなくなってきたから、もう他の人のことはどうでも良い。

だから言ったじゃないか。

ちなみに、俺とルリシヤが経営している、新しい風俗店だが。

大変儲けさせてもらっている。

全く、現金な奴らだ。

食欲が満たされるようになったら、今度は性欲を満たそうとするんだから。

淑やかで奥ゆかしい俺を、少しは見習ってくれないものか。

ま、俺は儲かるから良いけど。

「ふふ…。今頃ルチカ・ブランシェットは、どんなゲロ顔を晒していることやら…」

この目で見てやることが出来ないのが、残念である。
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