The previous night of the world revolution5~R.D.~
とはいえ。

俺達と、帝国騎士団の目的は違う。

「さて、じゃあここらで別行動にしましょうか」

これ以上、こいつらと一緒にいたら。

なんか、反吐が出そう。

「…そうだな」

本来帝国騎士団と『青薔薇連合会』が共闘なんて、有り得ないことなのだから。

早いところ、こいつらと別れて。

「…そしてルルシーと、二人っきりでいちゃつきたい!」

「やめろ」

俺がひしっ、と抱きついたのに。

酷い。

「…良いなぁ…」

オルタンスが何か呟いてるが、キモいのであいつの声は聞こえないことにして。

「じゃ、俺達はちゃちゃっと『厭世の孤塔』をぶちのめしに行きますか~」

で、お前ら『厭世の孤塔』の居場所は分かってるのか、って話だが。

実は、分かってる。

『天の光教』の本部の内部構造は、きっちりと下調べしてある。

アイズがな。

そして。

『良い?アリューシャ。無茶しないんだよ。危ないと思ったら、すぐに後退すること。分かった?』

インカムから聞こえたのは、後方にある拠点で作戦指揮を取っているアイズの声である。

アイズの、この心配そうな声。

無理もない。

「心配すんな!アリューシャは前世も今世も来世もゴキブリだからな。逃げ足と狙撃の腕だけは一人前よ!」

いつもは遠方の狙撃ポイントで、ひたすら狙撃に集中するアリューシャが。

今回は、前線メンバーの中にいるのである。

あと、前世と来世はともかく。

今世は人間だよ、アリューシャ。

そりゃアイズが心配するのも無理はない。アリューシャが前線メンバー入りするなんて、滅多にないことなのだから。

前線とは言っても、俺やルルシーのように、最前線ではない。

前衛に俺とルルシー&ルリシヤ、中衛にシュノさん、後衛にアリューシャという配置になっている。

だから、前線メンバーとは言っても、比較的後ろの方にいるから、そのぶんには安全なのだが…。

『深追いしないんだよ。危なくなったらシュノに守ってもらうこと。シュノ、アリューシャのサポート、くれぐれもお願いね』

「分かってるわ、大丈夫」

アイズの過保護ぶりに、シュノさんもちょっと苦笑い。

気持ちは分かる。
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