The previous night of the world revolution5~R.D.~
「万一それが誤爆して、お前が死ぬようなことになったら…ルレイアを、『青薔薇連合会』を敵に回すことになる」

「…」

「こっちにも爆弾解除班はいる。帝国騎士団に任せるんだ」

…それに、個人的にも。

お前みたいな、まだ年端も行かないような若造が命を落とすのは、後味が悪い。

また、ルレイアを見殺しにするような気がして…。

「…ルルシー先輩みたいな人だな、あなたは」

「は?」

「心配してくれてありがとうだが、悪いが爆弾解除班なんて呼んでる暇はない。これは時限式だ。あと10分足らずで爆発する」

「はぁぁ!?」

何と言った?お前。

「大丈夫だ。この程度の爆弾、秒で解除出来ない俺じゃない」

「…」

「それより、先に行け。そしてルチカ・ブランシェットを止めろ。正義の味方なんだろう、帝国騎士団は。なら、その役目を果たせ」

ルリシヤという仮面幹部は、ツールナイフを器用に動かしながら、平然とそう言った。

…こいつ。

「…言ってくれるじゃないか」

正義の味方、ね。

皮肉なのか、本心なのか知らないが…。

「それと、ルチカ・ブランシェットに伝言を頼む」

「伝言?」

「あぁ」

仮面幹部の伝言は、簡潔なものだった。

成程、お前はルレイアの後輩だよ。

元々は敵同士である以上、何処までこの男のことを信用して良いのか分からないが…。

「…死ぬなよ」

俺は、仮面幹部を残して踵を返した。

「心配するな。俺は死なない」

「…その根拠は?」

「俺の仮面の勘」

…そう言うと思ったよ。

本当に、死ぬなよ。

俺は心の中でそう言って、小会議室を後にした。
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