The previous night of the world revolution5~R.D.~
「…!?」

ルチカ・ブランシェットは、初めて余裕をなくした。

慌てて時計を見て、そして愕然とした。

起爆時間が、とうに過ぎていることに気づいたらしい。

心中するつもりだったのだから、まさか生き残って捕まることになるとは思ってなかったんだろうな。

かく言う俺達も、あいつの仮面の勘とやらがなければ、今頃木端微塵だった訳で。

そういう意味では、あいつは命の恩人なのかもな。

敵ながら、恐ろしい男だ。

まさに、ルレイア二世と言っても過言ではない。

あんな奴が二人も三人もいてたまるか。

「同情するよ、ルチカ・ブランシェット教祖様。相手が悪かった」

何せ、俺達ですら手を焼いているあの組織…『青薔薇連合会』を敵に回してしまったのだ。

生きて帰れるだけ、お前は幸せなんじゃないか?

皮肉にも、死神の手からは逃れられたのだから。

それが、所謂…神の愛とやらの恩恵なのかもしれない。
< 267 / 627 >

この作品をシェア

pagetop