The previous night of the world revolution5~R.D.~
「うふふ。死神がちょっと通りますよー」

「…」

俺は、鎌を振り回しながら爆進中であった。

何故かルルシーが無言なんだけど。何で?

更に。

奥からわらわらと、新手がやって来たところを。

俺の背後から飛んできた弾丸が、正確に敵の心臓を射抜いた。

言わずもがな、アリューシャの弾丸である。

さすが。

スタンディングで狙撃してるのに、全然ぶれない。

アリューシャも気合い入ってる。

「このままじゃ、俺のMVPがアリューシャに取られかねませんね」

「またMVPの話か…。良いじゃないか、MVPなんて誰でも…」

「ちょっとルルシー。MVPは大事ですよ?」

実はこのとき、とんでもないMVPが既に爆弾を解除していたとは、知らなかった俺である。

「さ~て、ルリシヤが合流する前に、さっさと済ませちゃいましょうかね」

あらかた敵を掃討した俺達は、地下にある一番奥の部屋に辿り着いた。

「でっかい扉ですね…」

「あぁ」

凄まじく堅く、そして分厚いコンクリートの扉が、そこに立ち塞がっていた。

勿論、その扉は固く閉ざされている。

普通の南京錠ではない。

パスワードを入力しなければ開かない。

「ルリシヤが合流するのを待つ方が良いか…」

と、ルルシー。

まぁ、こういうの専門はルリシヤなんだけど。

「ぬぉっ…!こうと知っていたら、アリューシャが前使った、あの殺人ライフル持ってきたのに!」

確かにあれがあったら、コンクリ壁も撃ち抜けるね。

でも、あれを使うのは、もうアイズが許してくれないと思うよ。

反動凄いからね。

「仕方ない。やっぱりルリシヤを待つしか…」

「ぬぁぁぁ!もどかしい~!ルリ公早く来てー!」

「…」

…ねぇ。

ちょっとよく考えてみてくれない?

…扉、開けるのってさ。

俺の…日常でね?

「…ねぇ、ルルシー」

「?何だ、ルレイア」

「『厭世の孤塔』は、俺達に復讐するのが目的なんですよね?」

「そうだろうな」

「だったら、こう、コンコンってノックしたら…開けてくれるんじゃないですか?」

「は?」

逃げ回ってちゃ、復讐なんて出来ないんだし。

迎え撃つ準備をして、待ち構えてると思わない?

「いや…。それはまぁ…そうかもしれないが、でもノックしたからって開ける訳…」

「まぁ、物は試しって奴ですね。ルルシー、シュノさん、アリューシャも、ちょっと下がっててもらって良いですか?」

「え?あ、うん…。え?」

俺は、にっこりと笑顔を浮かべ。

漆黒の鎌を両手に持った。

「…!ま、まさかルレイア、お前…!?」

どうやら、ルルシーも気づいたようだな。

刮目せよ、『厭世の孤塔』共。

これが、世に名高い、





…ルレイア式、ノックである。




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