The previous night of the world revolution5~R.D.~
「…ん…」

目を覚ました俺は、ゆっくりと起き上がって、横の目覚まし時計を止めた。

ちょっと早く起きてしまったな…。

『天の光教』の一件もようやく終わって、久々に休みをもらえたのだから、今日くらいはゆっくり寝ていても良かったのだが。

目が覚めてしまったものは仕方がない。

折角だから、家の中を掃除して、昼からは外の空気でも吸いに行こうか…と。

思っていた、そのとき。

「ルルシー。おはようございまーす」

「…」

ガチャ、と。

普通に、自分の部屋にでも入ってくるかのように。

ルレイアが、俺の寝室に入ってきた。

もう、驚きもしなかった。

「…」

「あれっ、ルルシー、もう起きてたんですか?」

「…何やってんの?お前…」

何をしに来た?

って言うかさ、ルリシヤと言いお前と言い、本当に、何処から入ってきてんの?

俺はお前達が、実は瞬間移動を使えるんじゃないかと、本気で思ってるんだが。

「もうちょっと、遅くまで寝ててくれても良かったんだけどなぁ…。惜しかったな…」

何言ってんの?お前。

俺はもしかして、無意識に物凄い危機を切り抜けたのでは?

惜しかったって何だよ。何をするつもりだったんだよ。

…ともかく。

「…今日の用事は?」

「デート行きましょうよ、久々に」

…やはりか。

まぁ、そんなことだろうと思ってたよ。

俺とルレイアの付き合いが、何年になると思ってる。

こいつの考えることくらい、お見通しだ。

「ねーねールルシ~。カラオケ~。カラオケ行きましょうよ~。『frontier』の新曲~」

またか。

「ルリシヤとでも行ってこいよ…。あいつも歌上手いだろ…」

普通に俺より上手いからな、あいつ。

「駄目ですよ。俺はルルシーと!デートに行きたいんです」

「…」

「それにルリシヤは今日、研究室にこもって、『ブートジョロキア・カラーボール』の改良版、『キャロライナリーパー・カラーボール』の開発に着手するそうですよ。邪魔しちゃいけませんよ」

あいつは何を目指してんの?

どんどん危険な方向に進んでるから、そろそろ引き返させた方が良いと思うんだけど。

でももうここまで来たら、その研究室とやらに下手に足を踏み入れたら、地獄を見るだけでは済まないだろう。

皆知ってる?キャロライナリーパー。

めちゃくちゃ辛いらしいよ。

もう素手で触れないレベルらしい。

「ねぇ~。デート~。カラオケ~」

すりすり、とすり寄ってくるルレイア。

あーもう…。

「分かったよ…。支度するから、ちょっと待ってな」

「はいっ」

ここで、「嫌だ、迷惑だから帰れ」と突っぱねられたら良かったんだけどな。

それが出来る俺なら、こいつと十年以上も付き合ってないよ。
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