The previous night of the world revolution5~R.D.~

sideルヴィア

─────…俺が、玄関先で正座をして待っていたのは。

「今日で離婚です」もしくは、「今日から別居です」と言われたとき、どうか考え直してくれと土下座する為であった。

もし考え直してくれなかったら、俺は明日の陽の目を見られないところだった。

しかし。

フューニャは、仲直りという言葉を口にした。

「一緒に…いてくれるのか?これからも…」

「何を言ってるんですか、あなたは…。私があなたの傍にいなかったら、他に私は何処にいるんです」

「…!」

…ルルシーさん、ルレイアさん。

俺、まだ嫁と一緒にいられそうです。

「ふっ…。フューニャぁぁ…!」

俺は、なっさけなく涙を流しながら。

可愛い、愛しい嫁に抱きついた。

「全くもう…。あなたという人は…」

フューニャは、よしよし、と俺の背中を撫でてくれた。

優しい。

でも、そんなことされたら余計泣く。

「ごめんよ、フューニャぁ…。ごめん…」

「はいはい、もう良いですから…。今回限りですからね?」

「ふぁい…」

泣き止むまで、俺はずっとフューニャによしよしされていた。

もう、このまま死んでも悔いはないと思った。

生きてるけど。
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