The previous night of the world revolution5~R.D.~
他に教えることが、山ほどあるだろ、と俺は思うのだが。

ルレイアは。

「まずは、身も心も大人になってもらおうかなと」

「成程」

成程ってお前、ルーチェス。

このお坊っちゃん、ここが何をするところか知ってるのか?

どうせ箱入りのお坊っちゃんのことだ。ルアリスみたいに、女性への耐性は皆無で…。

「ルーチェスあなた、童貞ですよね?」

「そうですね」

あっさり認めやがった。

「大人の某か(なにがしか)は知ってます?」

「知ってますよ?」

「ソースは?」

「アダルトビデオとエロ本」

!?

「ほう。研究熱心ですね」

「暇ですからね。性欲もて余してますし。ネットで妖しいサイト巡回して動画観たり、大人の店でエロ本買ったり…」

こ、こいつ…。

俺より年下だよな…?

「それは良い趣味だ。yourtubeとか観るか?『frontier』は知ってるのか」

と、尋ねるルリシヤ。

皇太子だぞ?王族の。

そんな世俗的なyourtubeアイドルなんて、知ってるはずな、

「あぁ、よくMV出してますよね」

「推しはいるか?俺はベーシュちゃん一択なんだが」

「僕の推しはミヤノですね」

「ほう、ミヤノ推しか。珍しいな」

大抵の人が、ルトリア推しか、ベーシュちゃん推しだからな。

ってか、メンバーの名前や推しの名前が、すらすらと出てくるなんて。

「で、こういう大人のお店は初めてですか?」

「初めてですね。何するところかは知ってますけど」

「ふむ。では入ってみましょうか。初めてとはいえ、そこまで知識豊富なら…。個室で、やんわりえっちするお店でも大丈夫でしょう」

おい、嘘だろ。

個室だと?

個室でやんわりえっちって何だよ。

それ、本当にやんわりか?

「俺が経営してる店があるので、そこに行きましょう」

本気か、ルレイア。

内心びびりまくりながら、俺は一行についていった。

正直、帰りたいんだけど。

ルーチェスは初めての分際で、何でそんなに余裕な顔してんの?

これが王族の余裕か?

そうこうしているうちに、ルレイアの妖しい店に到着。

「いらっしゃいませ、ご主人様」

「はいはい。どうも」

オーナーであるルレイアが入るなり、店にいた従業員達が、揃って頭を下げた。

いつ見ても、壮観である。

「今日は四名です」

「かしこまりました」

四名って、それ俺も含まれてる?

「ここで、好きな嬢を選ぶんですよ。ほら、タッチパネルで」

ルレイアが、タブレットのようなものをルーチェスに見せた。

そこには、この店で働いている女の子達の顔写真と、おまけにスリーサイズまでもがずらり。

うへぁ。

何だろう。俺は今、猛烈に踵を返して、家に帰りたい衝動に駆られている。
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