The previous night of the world revolution5~R.D.~
「束縛されたくない。自分の生き方は、自分で決めたい。長姉のように、野蛮に権力を振り回すこともしたくないし、次姉のように、お人形みたく玉座に座ってるだけ、ってのも嫌です」

…確かに。

お前は、そんなタマじゃないな。

「その為に武術を極めました。弱くちゃ、何も出来ませんから。結果、充分強くなったかなぁと思うんですが」

むしろ強過ぎて困るくらいだよ。

「この力で誰を守るか、誰を殺すか。それも全て、僕が自分で決めたいんです。誰かに決めてもらうんじゃなくて、自分で。僕は、自由に生きたい。そう思うのって、やっぱりおかしいんでしょうか?」

「…誰かにおかしいって言われたのか?」

「はい。うちの執事に」

そりゃ、お前の立場だったらおかしいと言われるだろうな。

でも。

「…俺は、お前はお前の好きな生き方で良いと思うよ」

「そうですか?」

「あぁ。無責任だと言われようが…。ルーチェスの人生の主人公は、ルーチェスなんだから」

ルレイアが、よく言ってるじゃないか。

「ありがとうございます。ルルシーさん」

「…」

…こんなことで。

我ながら、チョロい奴だと思うが。

こんなことで、ほんの少しだけ。

ルーチェスへの警戒心が薄れるのだから、俺も甘い。
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