The previous night of the world revolution5~R.D.~
その、最高に嬉しい日の帰り道。
俺は何度も婚約指輪を眺めては、にゅふふと笑っていた。
あぁ幸せ。
今日はとっても素晴らしい日だ。
何せ、ルルシーが俺と婚約してくれたのだから!
こんなに嬉しいことが、他にあるだろうか。
経済貢献もして、ルルシーとの婚約も果たす。
俺は幸せ。皆も幸せ。
るんるんと歩きながら、俺は大通りの一角に差し掛かった。
そこに、日傘を差して、片手に一冊の本を掲げた女性が立っていた。
「もしもし、そこのあなた」
「はい?」
俺は、その女性にいきなり呼び止められた。
何?この人。
ナンパか何かかと思ったら、その人はいきなり、何の脈絡もなく、こう聞いてきた。
「あなたは、神を信じていますか?」
「え?神は俺ですけど」
「…」
「…」
お互い、無言で見つめ合うこと数秒。
向こうはぽかーんとしていたし、俺もきょとんとしていた。
何を当たり前のこと聞いてんの?この人。
「まだ、何か用です?」
「あ、い、いえ。何でも…」
彼女は、キョドりながらすごすご引き下がった。
彼女の足元をよく見ると、段ボール箱の中に、透明なビニール袋で包装されたパンフレットみたいなものが、ぎっしり入っていた。
そして彼女の手には、経典らしき本。
あぁ…。この人、何か…宗教勧誘的な人か。
つい、素で答えちゃったよ。
ま、事実だし。
次の瞬間には、俺はこの人のことを頭の中から追い出し、再び幸せな気分で帰路に着いた。
これが、全てのきっかけになるとも知らずに。
俺は何度も婚約指輪を眺めては、にゅふふと笑っていた。
あぁ幸せ。
今日はとっても素晴らしい日だ。
何せ、ルルシーが俺と婚約してくれたのだから!
こんなに嬉しいことが、他にあるだろうか。
経済貢献もして、ルルシーとの婚約も果たす。
俺は幸せ。皆も幸せ。
るんるんと歩きながら、俺は大通りの一角に差し掛かった。
そこに、日傘を差して、片手に一冊の本を掲げた女性が立っていた。
「もしもし、そこのあなた」
「はい?」
俺は、その女性にいきなり呼び止められた。
何?この人。
ナンパか何かかと思ったら、その人はいきなり、何の脈絡もなく、こう聞いてきた。
「あなたは、神を信じていますか?」
「え?神は俺ですけど」
「…」
「…」
お互い、無言で見つめ合うこと数秒。
向こうはぽかーんとしていたし、俺もきょとんとしていた。
何を当たり前のこと聞いてんの?この人。
「まだ、何か用です?」
「あ、い、いえ。何でも…」
彼女は、キョドりながらすごすご引き下がった。
彼女の足元をよく見ると、段ボール箱の中に、透明なビニール袋で包装されたパンフレットみたいなものが、ぎっしり入っていた。
そして彼女の手には、経典らしき本。
あぁ…。この人、何か…宗教勧誘的な人か。
つい、素で答えちゃったよ。
ま、事実だし。
次の瞬間には、俺はこの人のことを頭の中から追い出し、再び幸せな気分で帰路に着いた。
これが、全てのきっかけになるとも知らずに。