The previous night of the world revolution5~R.D.~

sideルルシー

─────…それから、十数分後。

ルーチェスが、ようやく戻ってきた。

「あ、お帰りなさ~い。美味しかったですか?」

ルレイアお前。美味しかったって何だ。

食べ物じゃないんだぞ。

「さて、僕は初めてなので、美味しかったかどうかは分かりませんけど…」

「…けど?」

「婚約者が、出来ました」

…は?

……………は?

俺は目が点になっていたが、ルレイアは、にやりとほくそ笑んだ。

「それはおめでとうございます。祝福しますよ」

「ありがとうございます」

ちょ、ちょっとま、

婚約…は?

「じゃ、帰りましょうか」

「そうですね。なんか身も心もすっきりした気分です」

「それは良かったですね」

いや、ちょ、お前ら。

何故か爽やかな顔をして帰っていく二人の背中を、俺はしばし呆然と見つめていた。

…ついていけない。

ついていけないよ、俺。
< 371 / 627 >

この作品をシェア

pagetop