The previous night of the world revolution5~R.D.~

sideルルシー

────…その日、『青薔薇連合会』本部に、ルーチェスがやって来ていた。

修行、とかいう名目で。

しかも、わざわざ俺の部屋で。

一体何の修行なのかと思ったら。




「良いですか、ルーチェスさん。女を落とすには、三つの方法があります」

「ほう。何でしょう」

おい、ルレイア。

一体お前は、自分の弟子に何を教えようとしてる。

やめろ。

「一つ目は、とりあえず押す」

「はい」

お前はいつも押してるよな。

「二つ目は、更に押す」

「はい」

また押すのかよ。

「三つ目は、もっと押す。以上です」

押してしかない。

結局方法、一つしかないんじゃないか。

「成程。大変参考になりました」

それを参考にするな。

良いか、皆。ルレイアの言うことを真に受けるな。

押せば良いってもんじゃないぞ。

「で、どうなんですかルーチェスさん。例の彼女とは」

…例の彼女?

って、誰?

「あぁ、順調です」

「それは良かったですね」

何が順調なんだ…?

こいつら、また俺に隠れて、何かやってんのか。

「最近僕、炊事や掃除の練習を始めたんですよ。未来の為に」

「ほう」

「やっぱり、最近は料理も出来る方がモテるかなと思って」

「そうですか?俺はセックステクを磨いた方が良いと思いますけどね」

ルレイア、お前は間違ってる。

皆、ルレイアの言うことを真に受けるな。頼むから。

しかし、皇太子殿下が炊事や掃除とは…。

人は見かけに寄らないって言うもんな。

ルリシヤだって、あんな奇怪な見た目はしているけど、ああ見えて家事能力が高、

「俺を呼んだかルルシー先輩」

「うわぁぁびっくりしたっ!!」

いきなり俺の背後から、ルリシヤがにゅっ、と生えてきた。

「いやん。ルルシーの驚いた顔…素敵!」

何が素敵だ、馬鹿ルレイア。

そして、ルリシヤ。

「お前は何処に潜んでるんだよ!」

明らかにさっきから、影も形もなかっただろうが!

「炊事も掃除も得意な『青薔薇連合会』の幹部とは俺のこと」

そりゃ確かにそうだけどさ。

「残念ながら、セックステクニックについては、俺から教えることはない。そちらは、ルレイア先輩のジョブだからな」

ドヤ顔やめろルレイア。

「だが、掃除、炊事については、俺の専門だ。是非頼ってくれ」

「成程…。じゃあ、料理や掃除が上手になるには、どうしたら良いんでしょう」

「そうだな…。やはり経験が一番…」

まぁ、何事もそうだよな。

経験が一番だい、

「と、素人なら誰もが言う」

え?
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