The previous night of the world revolution5~R.D.~
「ルレイア!馬鹿、そこは慰めてやるところだろ!」
生きるか死ぬかってほどに悲しんでる相手に。
死人に鞭打つとはこのこと。
まだ死んでないけど。
しかし。
「忘れましたか。俺はあなたに伝授したはずですよ。ルレイア式女の落とし方を」
「…!ルレイア師匠…」
「まずは押す!押して駄目なら、更に押す!それでも駄目なら、もっと押す!押して押して、ついでに押し倒す!俺の弟子ともあろう者が、この法則を忘れるとは!」
「…!!」
ハッとして顔を上げるルーチェス。
「たった一回プロポーズを断られたからって、それが何だって言うんです。俺なんか、もう10年くらい毎日ルルシーにプロポーズしてるんですよ!それでも諦めてない!」
説得力が違うな。
お前はいい加減諦めろ。
「それどころか、こうなったら判子を偽造して、ルリシヤと共謀して、ルルシーに内緒でこっそり婚姻届を出してこようかと画策しているくらいです!」
やめろ。
「そんな俺の弟子が、たった一度で諦める?俺は、あなたをそんな柔っちい男に育てた覚えはありません!このルレイア・ティシェリーの弟子を名乗るなら、愛する人と添い遂げる為に、世界の全てを敵に回すくらいの覚悟で挑みなさい!」
「…!!」
…。
…何だろう。
めちゃくちゃ良いこと言ってるはずなんだけど。
素直に称賛出来ない自分がいる。
しかし、この叱咤激励が、ルーチェスには効果覿面だったようで。
「そうだ…そうです!僕はなんて甘ったれていたんでしょう。ルレイア師匠の弟子として、恥ずかしい」
「その通りです。愛する者と一緒に生きる為なら、駆け落ちだろうが、寝盗りだろうが、夜這いだろうが、拉致だろうが監禁だろうが、全て合法です!」
駆け落ち以外は全部違法だ、馬鹿。
俺にやろうとしてないよな?やめろよ。
「僕、目が覚めました。ルレイア師匠の弟子の名に恥じぬよう…。世界の全てを敵に回す覚悟で、再度アタックしてきます」
「良い心掛けです」
「そうと決まれば、早速準備してきます。それでは!」
しゅたっ、と立ち上がったルーチェスは。
行き倒れていたのが嘘のように、軽やかな足取りで俺の執務室を出ていった。
…元気になったのは、良いけどさ。
「…あのな、ルレイア…。お前、あいつに適当なこと…」
「俺は本気で言ったんですよ?ルーチェスの為を思って」
いや、まぁ、それは…。
でもその方法って、あくまでルレイア式であって、一般社会では通用しないんじゃないかと…。
「ほら、世の中、当たって砕けろって言うでしょう?」
「当たるのは良いけど、砕けたら駄目だろ」
「砕けたら、拾ってアロンアルファでくっつけて、再び当たれば良いんですよ。向こうの壁が鉄筋コンクリートでもない限り、いつかは壊れるでしょう」
「…」
…お前、いつもその覚悟で、俺に求婚してきてるの?
そうだとしたら、俺は今すぐ、鉄筋コンクリートにならなければならない。
…何にせよ。
ルーチェスが、無事だと良いのだが。
すると。
「ルレイア、ルルシー。ちょっと良いかな?」
「ん?」
意外な訪問者が、俺の部屋にやって来た。
生きるか死ぬかってほどに悲しんでる相手に。
死人に鞭打つとはこのこと。
まだ死んでないけど。
しかし。
「忘れましたか。俺はあなたに伝授したはずですよ。ルレイア式女の落とし方を」
「…!ルレイア師匠…」
「まずは押す!押して駄目なら、更に押す!それでも駄目なら、もっと押す!押して押して、ついでに押し倒す!俺の弟子ともあろう者が、この法則を忘れるとは!」
「…!!」
ハッとして顔を上げるルーチェス。
「たった一回プロポーズを断られたからって、それが何だって言うんです。俺なんか、もう10年くらい毎日ルルシーにプロポーズしてるんですよ!それでも諦めてない!」
説得力が違うな。
お前はいい加減諦めろ。
「それどころか、こうなったら判子を偽造して、ルリシヤと共謀して、ルルシーに内緒でこっそり婚姻届を出してこようかと画策しているくらいです!」
やめろ。
「そんな俺の弟子が、たった一度で諦める?俺は、あなたをそんな柔っちい男に育てた覚えはありません!このルレイア・ティシェリーの弟子を名乗るなら、愛する人と添い遂げる為に、世界の全てを敵に回すくらいの覚悟で挑みなさい!」
「…!!」
…。
…何だろう。
めちゃくちゃ良いこと言ってるはずなんだけど。
素直に称賛出来ない自分がいる。
しかし、この叱咤激励が、ルーチェスには効果覿面だったようで。
「そうだ…そうです!僕はなんて甘ったれていたんでしょう。ルレイア師匠の弟子として、恥ずかしい」
「その通りです。愛する者と一緒に生きる為なら、駆け落ちだろうが、寝盗りだろうが、夜這いだろうが、拉致だろうが監禁だろうが、全て合法です!」
駆け落ち以外は全部違法だ、馬鹿。
俺にやろうとしてないよな?やめろよ。
「僕、目が覚めました。ルレイア師匠の弟子の名に恥じぬよう…。世界の全てを敵に回す覚悟で、再度アタックしてきます」
「良い心掛けです」
「そうと決まれば、早速準備してきます。それでは!」
しゅたっ、と立ち上がったルーチェスは。
行き倒れていたのが嘘のように、軽やかな足取りで俺の執務室を出ていった。
…元気になったのは、良いけどさ。
「…あのな、ルレイア…。お前、あいつに適当なこと…」
「俺は本気で言ったんですよ?ルーチェスの為を思って」
いや、まぁ、それは…。
でもその方法って、あくまでルレイア式であって、一般社会では通用しないんじゃないかと…。
「ほら、世の中、当たって砕けろって言うでしょう?」
「当たるのは良いけど、砕けたら駄目だろ」
「砕けたら、拾ってアロンアルファでくっつけて、再び当たれば良いんですよ。向こうの壁が鉄筋コンクリートでもない限り、いつかは壊れるでしょう」
「…」
…お前、いつもその覚悟で、俺に求婚してきてるの?
そうだとしたら、俺は今すぐ、鉄筋コンクリートにならなければならない。
…何にせよ。
ルーチェスが、無事だと良いのだが。
すると。
「ルレイア、ルルシー。ちょっと良いかな?」
「ん?」
意外な訪問者が、俺の部屋にやって来た。