The previous night of the world revolution5～R.D.～

「『アンタレス』？」

「そう。うちの下部組織の一つなんだけどね」

行き倒れた俺の弟子、ルーチェスを叱咤激励した直後。

入れ替わるようにしてルルシーの執務室に入ってきたのは、アイズとシュノさんだった。

珍しい組み合わせである。

しかも、何故かシュノさんが、やけにしょぼんとしている。

これは如何にと思っていたら、アイズがその組織の名前を出した。

「この組織が、うちへの上納金を長年誤魔化してたことが発覚したんだ」

…何だと？

『青薔薇連合会』は、ルティス帝国最大のマフィア。

多くの下部組織を持っており、その組織は、『青薔薇連合会』の看板を背負わせてやる代わりに、毎年相応の上納金を『青薔薇連合会』に支払うことを義務付けている。

ようはまぁ、みかじめ料ってことだな。

みかじめ料の金額については、その組織の資金力や構成員の人数などに基づいて、それぞれ厳格に定められている。

勿論、滞納することや、一円でも不足することは許されない。

そのみかじめ料を、誤魔化していただと？

「調べてみたところ、組織の収入や構成員の人数を、わざと低く申告して、上納金の金額を意図的に下げてたらしい」

「へぇ…。いつから？」

「10年以上前から」

はぁ。

そりゃ、とんでもない大罪だな。

死にたいのだろうか。