The previous night of the world revolution5~R.D.~
『アンタレス』の拠点に向かいながら。

「…本当にごめんなさい…。二人を巻き込んじゃって…」

相変わらず、しょんぼりのシュノさん。

余程気に病んでいるらしい。

「そんな、水臭いですよシュノさん。こういうときはお互い様じゃないですか」

「あぁ。気にするな、シュノ。たまたまシュノの管轄だっただけで、俺だったとしても多分気づかなかったぞ」

それどころか、俺でも気づかなかったかもしれない。

下部組織の報告書なんて、アイズみたいにきっちり読まないし。俺。

「でも…。私が馬鹿だったせいで、アイズにも、二人に迷惑かけちゃって…」

「シュノが馬鹿なもんか。お前が馬鹿だったら、アリューシャなんてどうなるんだよ」

おいおい、ルルシー。

アリューシャが泣くよ。

「とにかく気にするな。このくらい、どうってことない」

「ルルシー…」

「そうですよシュノさん。むしろ活躍の機会を与えてもらって、俺は感謝してるくらいです」

「ルレイア…」

「ね、だから元気出してください」

「…うん、ありがとう、ルレイア」

初めて、シュノさんが笑顔を見せてくれた。

良かった。ちょっと元気が出たみたいだ。

「さぁ、そろそろ着きますよ」

存分に暴れさせてもらおう…と。

思っていたのだが。

「…?」

俺は、思わず立ち止まった。

「…?ルレイア?」

「…何か聞こえません?」

「え?」

二人共立ち止まって、耳を澄ます。

人の悲鳴と…銃声。

聞き慣れているからこそ分かる、戦闘音。

「…!」

ルルシー達も気づいたようだ。

どうやら俺達がここに辿り着く前に、『アンタレス』に何かが起きたらしいな。

「急ぎましょう」

「あぁ…!」

俺達は、即座に走り出した。
< 449 / 627 >

この作品をシェア

pagetop