The previous night of the world revolution5~R.D.~
「…あなた達が、『アンタレス』ですか」

「あ…?」

『アンタレス』が『青薔薇連合会』の下部組織だということは知ってる。

つまり『アンタレス』を攻撃するということは、『青薔薇連合会』を敵に回すのと同じ。

ルレイア師匠達を、敵に回すのと同じ。

それだけではない。

こんな騒ぎを起こせば、僕が『青薔薇連合会』と…マフィアと関わりを持っていることが、王室にバレるだろう。

当然、王位継承権を剥奪され、王室からも追放される。

そんなことは分かってる。

「ここ、『アンタレス』の拠点ですよね」

「何だ、お前…。部外者が、勝手に入ってくるんじゃねぇ」

じりじりと威圧するように、『アンタレス』の構成員が僕に迫ってきた。

ルレイア師匠には恩がある。

『青薔薇連合会』にも。

でも。

「随分立派な得物持ってるじゃないか。え?何処の…」

でも。

だからこそ。

「世界の全てを敵に回す覚悟で、と言われたもので」

僕は、あの人の教えに従う。

己の意思で、未来を切り開く。

世界を、手に入れる。

僕の両剣の刃が、『アンタレス』構成員の喉元を貫いた。

「お、お前…!?」

「始めましょうか。…地獄の饗宴を」

死神の弟子に相応しい、徒花を咲かせてみせよう。
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