The previous night of the world revolution5~R.D.~
俺はルリシヤからUSBメモリを借り受け、自前のPCと複数のタブレット端末を手元に置き。

仮の作戦本部として用意した、『青薔薇連合会』所有の建物の屋上に陣取った。

ここからなら、双眼鏡でアイズのいる廃工場が視認出来る。

「敵の素性、人数、武装、現状全て不明です。あくまで目的は、アイズレンシアの奪還。敵との交戦は、出来る限り避けてください」

俺はインカムを通して、現場にいるルルシー達に伝えた。

俺達の目的は、アイズの奪還だけだ。

素性も武装も分からないどっかの誰かさんと、ドンパチやることではない。

アイズを返してもらって、さっさとお暇する。

既に、廃工場をぐるりと囲むように部隊を配置してある。

敵がどれほどの武装をしているか分からないのがネックだ。

市街地に被害が出るほどの重火器を、そんじょそこらの連中が持っているとは考えにくいが。

一応ルヴィアさんと彼の部隊に、周辺住民の避難指示を頼んである。

一般人に被害を出す訳にはいかないからな。

後で帝国騎士団と揉めるようなことになるのは、御免だ。

「前衛はルルシーとルリシヤの二人で。シュノさんは中衛で、前衛二人の支援をお願いします」

『了解』

『分かったわ、ルレイア』

インカムから、ルルシー達の声が聞こえた。

よし。

「アリューシャは現在地から、ターゲットを狙撃してください。味方以外は全員殺して構いません。それから、狙撃ポイントを捕捉されないように、随時移動することを忘れないでください」

『…分かった』

いつもなら、軽口で答えるはずのアリューシャが。

今日ばかりは、まるで余裕がなかった。

インカムから殺気が伝わってくるようだよ。

こんなとき、アリューシャもマフィアなんだなと思う。

ルルシーを傷つけられたときの俺も、こんな感じなのだろうか?

「さて、それでは…作戦開始です」

何処の誰かさんか知らないが。

俺達のアイズを唆してくれた報いは、しっかりと受けてもらうぞ。
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