The previous night of the world revolution5~R.D.~
…さて。

私は、リビングの壁時計を見上げた。

そろそろ、ルヴィアさんの為に、夕食を作らなくてはならない時間だ。

今日のメニューは、野菜たっぷり煮込みハンバーグの予定である。

ルヴィアさんの嫌いなアスパラガスも入る予定だが、そこはちゃんと対策を考えてある。

アスパラガスをフードプロセッサーで粉々に刻んで、こっそり肉ダネに混ぜ込む作戦だ。

今まで何度も試みたが、未だにバレていない。

全く、子供みたいな人である。

でも私は貞淑で努力家な妻なので、夫が苦手な野菜も食べられるように、健気に努力するのである。

あっ、そうだ。

先日調合したばかりの、『邪魔者を追い払う秘薬』も、こっそり混ぜておこう。

こちらも朝食のスープに混ぜて出したが、ルヴィアさんは全く気づいていなかった。

「ふふふ…」

秘密の隠し場所から、秘薬の小瓶を取り出し。

さて、調理を始めようとした、そのとき。

家の中に、インターホンの音が鳴り響いた。

「…?」

着けかけたエプロンを外し、私は玄関に急いだ。

すると。

「こんにちはー」

私と同い年くらいの若い女性が立っていた。
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