The previous night of the world revolution5~R.D.~

sideフューニャ

──────…ある日の午後。




午前中にやるべき家事も終わり、さて、お天気も良いことだし、少しお昼寝でもしようかしら、と。

思っていた、そのとき。

我が家のインターホンが鳴り響いた。

「こんにちはー。フューニャさん」

「あら、お隣の…」

「セカイです」

「そう、セカイさん」

お隣に越してきたばかりの奥様、セカイさんであった。

「どうしたんですか?」

夫婦関係のことで、何かお困りか。

このフューニャ、先輩妻として、何でも相談に乗るつもりであるが。

しかし。

「美味しいアップルパイをお裾分けに来ました」

「え?」

セカイさんは、大皿の上に乗った、半分に切ったアップルパイを持ってきていた。

まぁ。

「甘いもの、大丈夫です?」

「えぇ。むしろ好物です」

「それなら良かった!どうぞ」

セカイさんは、嬉しそうにアップルパイを差し出した。

…。

「…ねぇ、セカイさん。今、少し時間あります?」

「え?」

「良かったら、うちでお茶でもしませんか。折角美味しそうなアップルパイもあることですし」

「えぇ!良いんですか?お邪魔して」

「勿論です」

丁度、退屈していたところだし。

折角頂いたのだから、お茶も出さずに帰す訳にはいかない。

「じゃあ、お言葉に甘えて、お邪魔しまーす」

「えぇ、どうぞ」

午後にお喋り出来る人がいることの、なんと嬉しいこと。

私は、喜んで彼女を家の中に迎え入れた。


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