The previous night of the world revolution5~R.D.~

sideルルシー

──────…翌日。



俺は、相変わらずルヴィアのことを心配していた。

「…大丈夫かな、ルヴィア…」

「ま~たルヴィアさんの心配ですか?」

いや、そう言うけどさ…。

「様子…見に行った方が良いかな」

「大丈夫ですよ。いつものパターンじゃないですか。また返り討ち食らいますよ」

返り討ち、とは。

仲直りした後の、いつものルヴィアの惚気話である。

一度始まったら、最低でも一時間は止まらないと噂の。

俺の派閥にいる構成員なら、誰もが一度は経験している。

ルヴィアの、長くて頭の痛くなる惚気話を。

それは分かっている。

しかし…。

「でも昨日は、いつにも増して酷かったじゃないか。いきなり踊り出したりとかして…」

奇声も発してたし。

床をゴロゴロ悶えてたし。

昨日の今日で、元気になれるものだろうか?

それなのに、ルレイアは能天気で。

「大丈夫ですって」

「…何処から来るんだよ、その自信は…」

有能な俺の部下なんだぞ。

潰れてしまったら困るんだぞ。

「…やっぱり心配だから、様子を見に…」

と、立ち上がりかけた、

そのとき。

「おはようございまーす!」

超良い笑顔のルヴィアが、超元気良く入ってきた。

あっ。

なんかもう、察した。

「ルルシーさん!これ、今日必要な書類です。宜しくお願いします!」

「あ、う、うん…」

せめて「嫁」のワードだけは出すまいと思っていたのだが。

忘れるなかれ。

俺の横には、悪戯大好きな、余計なこと製造機がいる。

「ところでルヴィアさん、『嫁』とは仲直りしたんですか?」

「ばっ…!ルレイア!」

ことさらに嫁を強調しやがって。

そんなこと言ったら、ルヴィアが…。

「はい!!しました!!」

めちゃくちゃ良い笑顔で、そしてでかい声でそう答えた。

こ、の、馬鹿ルレイア…。

「お前…後で覚えてろよ」

「♪~」

案の定始まってしまったルヴィアの惚気話に、俺は相棒を恨むのだった。




END
< 520 / 627 >

この作品をシェア

pagetop