The previous night of the world revolution5~R.D.~
「でねー、フューニャちゃんがね、よしよしして慰めてあげたんだって」

「へぇ…」

「しっかしルーチェス君も罪作りな人だねぇ。料理と掃除が得意なだけで、お隣の旦那さんに土下座させるとは」

「そんなことを僕に言われても…」

あの人、それで土下座してたんだ。

しかもその土下座の原因が、僕にあったとは。

気の毒なのは気の毒なんだが。

そんなこと言われても、知らんがな、ってのが率直な感想。

僕、また何かやっちゃいました?状態。

「…それにしても、お隣の奥さんと、よくお喋りするんですね」

「するよ~。凄いする。男の子とは出来ない、えっちな話とかもするよ~?」

にやにや、と笑うセカイさん。

何そのえっちな話って。聞きたい。

昨日の夜、亭主のアレがね…とか話してるのかな?

めちゃくちゃ聞きたい。

「その割には僕、旦那さんの方とは全然関わりないんですよね…」

間接的に、僕のせいで土下座までさせたというのに。

僕は『青薔薇連合会』でも特別な位置付けだし、ルルシーさんの派閥とは特に関係もないし…。

妻同士は仲良しなのに、夫同士はお互いをよく知らないって、なんか変な感じだな。

「話を聞く限り、お隣の旦那さん、結構イイ男らしいよ~?」

「…む…」

何だろう。男として、挑戦されている気分。

「しかもイケメンだし!」

「僕より…?」

「どうかな~?どうかな~?」

…けしからんセカイお姉ちゃんだ。

「浮気フラグですか」

「あはは。ルーチェス君か~わいい」

何がだ。

嫉妬して何が悪い。

「ういのう、ういのう、可愛いのう~。よしよし」

「…良いですよ。子供扱いばっかりして、僕も男なんだってこと、教えてあげますから」

ルレイア師匠直伝、セックステクニックでな。

それはともかくとして。

「ルーチェス君もさ、お喋りしてみたら良いんだよ。フューニャちゃんの旦那さんと」

「ルヴィアさんと…?」

「そ。私達が亭主の悪口で盛り上がってるみたいに、妻の愚痴で盛り上がるの」

世知辛い世の中だな。

「ちなみにセカイさんは、僕のことでどんな悪口を言ってるんですか?」

「えっへへ。なっいっしょ~」

「…」

やっぱり、ベッドで白状させるしかないようだな。
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