The previous night of the world revolution5~R.D.~
そ…そういう、ことなのか?

俺は、フューニャの笑顔を、金で買ってるってことなのか?

物で釣って?

「…」

あまりの衝撃にわなわな震えていると、ルーチェスさんが。

「…あ、済みません。なんか地雷でした?」

はい。

超巨大な地雷を踏み抜きました。

「ち、ち、違います…。も、物だけじゃなくて…。他のことでも、えがっ…。笑顔…」

「…」

「笑顔…。フューニャの笑顔を…」

「…分かりました。大丈夫なんで。もう良いですよ」

違うんだ。そうじゃないんだ。

俺はちゃんと。物だけじゃなくて。ちゃんとフューニャに笑顔を。

笑顔…与えてるよね?

なんか、段々不安になってきた。

俺だけが一方的に、へらへら笑ってるだけなんじゃないかって。

「じゃあ、第二の質問良いですか?」

「だ、第二の質問…?」

第一の質問で、既にキャパオーバーしかけているのだが?

「夫婦生活で一番厄介なのって、やっぱり喧嘩することだと思うんですよ」

「は、はい…」

「でも、生まれや価値観が違う他人同士が一緒に暮らせば、意見が食い違うことなんて、いくらでもありますよね」

「はい…」

「勿論、そういう意見の対立を話し合いによって解決することで、夫婦として成長していくんだと思いますけど」

「…」

…何だろう。

弁護士か何かに、尋問されてる気分になってきた。

「だから僕は、出来るだけ妻の価値観に寄り添って、意見の対立を防ぎ、夫婦仲に亀裂が入るのを阻止したい…と考えているんですが」

「…はい…」

「ずばり、妻を怒らせたり、傷つけたりしない為に、どんなことに気を付けたら良いと思います?」

…最初からそう聞いてくれ。

前置きが長くて、頭が混乱する。

馬鹿だから。俺。

しかし、それにしても難しい質問には変わりない。

怒らせたり、傷つけない為に…か。

「…うーん…」

俺…どんなことに気を付けてるだろう?

気を付けてる自覚はあるが、その為に何をしているのか、具体的な行動が出てこない。

「…そうだな。じゃあ聞き方を変えましょう。失礼ながら聞かせてもらいますが、ルヴィアさん夫妻は新婚当初、どんなことで喧嘩しました?」

「…」

新婚当初の…喧嘩?

それなら、比較的簡単に答えられる。
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