The previous night of the world revolution5~R.D.~
まな板で食材を切っていると、セカイさんが、寝室から声をかけてきた。

「ルーチェスくーん」

「はい?」

「これ、荷物全部開けちゃって良いー?」

「あー、はい。良いですよ」

「りょうか~い。じゃあこれから…。あれ、なんかずっしりしてるなぁ、この段ボール」

…ずっしりしてる段ボール?

僕のだよな?

「何が入ってるんだろ…。ん、本?」

あ、それもしかして。

「あ~!ルーチェス君のえっちな本だ~!」

やっぱり。

僕のエロ本コレクションの段ボール箱だったか。

「どれどれ、ルーチェス君はどんな性癖をしてるのかな~?」

興味津々でエロ本を開くセカイさん。

「うふふ、男の子だな~。可愛い」

にまにまとエロ本を眺めていらっしゃる。

面白いのだろうか。

僕は面白いけど。

「このえっちな本、全部並べちゃって良いの?」

「はい。お願いします」

「はいよ~」

段ボール箱から次々エロ本を出して、寝室の本棚に並べていく。

更に。

「こっちの段ボールもずっしりしてるねぇ。こっちは何かな~?」

「あぁ、それは僕のエロ本第二段です」

「あはは!一杯持ってるねぇ」

それでも、だいぶ処分してきたんだぞ。

ほら、いつだったか断捨離したからな。

前はもっと、その倍くらいはあった。

しかも、そっちの段ボール箱に入っているのは。

「あ、これ男の子同士のえっちな本だ!」

そう。そっちに入ってるのは、全部衆道本である。

BL本って奴だな。

「ルーチェス君って、バイなの?」

「バイセクシャルのバイですか?それなら、答えはイエスです」

「へぇ~」

好きだったら、性別なんてこの際どうでも良いよなぁ?

生産性の有無など知ったことか。

子供が出来なくて困るのは国であって、僕じゃない。
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