The previous night of the world revolution5~R.D.~
夫が、バイセクシャルであることが発覚したにも関わらず。

セカイさんは全く気にしていない様子で。

「ルーチェス君は、腐男子なんだね」

「腐男子?」

「腐女子の反対」

あぁ、成程。

「へぇ~。面白いねぇ、これ」

ぺらぺらとBL本を捲るセカイさん。

「セカイさんは腐女子なんですか」

「えへへ。別に積極的に好きって訳じゃないけど、私、結構アリなタイプだよ」

ほう。

腐夫婦だな。

「それ、今セカイさんが手に持ってるの、おすすめですよ」

「そうなの?」

「えぇ。僕の好きな作者の新作でして」

「ほほう~?じゃあ、こっちの、ちょっと受け役がルーチェス君に似てる本は?」

「そっちもおすすめですよ」

僕に似てるか?その主人公。

「あ、こっちも良いね~。作画が私好みだ」

セカイさん、僕のBL本を物色してる。

別に見られて困るものではないから、好きに見てくれて良いが。

僕と好みが合うとは。僕ら、良い腐夫婦になれそうだ。

「ふふうふ」って、なんか言いにくいね。

「この本、私も読んで良い?」

「良いですよ。僕の本は、何でも好きに読んでくれれば」

読まれて減るもんでもなし。

むしろ、本は読まれる為にある。

ましてや僕のお宝エロ本ラインナップなんだから、是非多くの人に知って欲しい。

「やったー。おっ、こっちも良いねぇ」

「エロ本に目移りするのは良いですけど、ちゃんと片付けも進めてくださいね」

「はいは~い」

セカイさんはペロッと舌を出しながら、エロ本をパラパラしながら本棚に収めていった。

僕は、これが何ら悪いことだとは思っていなかった。

今の今まで。
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