The previous night of the world revolution5~R.D.~

sideルヴィア

─────…ルーチェスさんは、エロ本が喧嘩の火種になることを聞いて、びっくりしていたが。

俺は、それ以上にびっくりしていた。

…マジ?

アンブローシア家、夫婦で腐ってる?

いや、ルーチェスさんは、あのルレイアさんの弟子だから、そういうことには寛容なのかもしれないが。

まさか、夫婦でエロ本を…しかも、その、腐ってる本をお読みになるとは。

世界って、広いんだな。

我が家だったら、絶対有り得ない。

思い出す。俺のエロ本がバレたときの修羅場を。

結果としては上手い方に転び、俺がエロ本を全部処分することで落ち着いたが。

俺が懲りずにまたエロ本なんて所持して、もしそれがバレたら。

どんなに恐ろしいことになるか、想像したくもないくらいだ。

それなのに、ルーチェスさんは。

堂々と妻にエロ本を見せ、しかも寝室の本棚に、普通に並べるとは。

年頃の男子や、俺みたいに、ベッドの下に隠すのではなく。

剥き身で、表紙剥き出しで並べるんだぞ。

マジ?

しかも、それを受け入れ、それどころか自分も楽しんで読む奥さんも奥さんだ。

寛容とか、そういう問題ではないぞ。

アンブローシア家では、エロ本は、普通の本扱いなのだろうか…。

価値観の違いとは恐ろしい。

同じ夫婦でも、こうも違うとは。

それはそれで平和。

「エロ本については、うちでは揉めそうにないですね」

「は、はい…」

「他に気を付けるべきことって、あります?」

他に…。他に…か。

エロ本の他に忠告しておくべきことと言ったら…。やっぱり、あれしかないだろう。

どの夫婦にも共通することだが。

「…浮気、ですかね。やっぱり」

「…浮気…」

嫁がいるなら、これだけは絶対駄目。

ルーチェスさんはイケメンだし、学もあるしお金もあるし、女性からはモテモテだろうが。

決して、その誘惑に負けてはならない。

「浮気だけは絶対に駄目ですよ。浮気だけは、もう、一発でアウト…」

「…?でも、うちのセカイさんは、浮気しても良いって言ってましたよ?」

「!?」

…ルーチェスさん。

あなた、今何て?
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