The previous night of the world revolution5~R.D.~
「今度は糠漬けなのか。勉強熱心だな」

「いや、先日の梅干し、予想以上にセカイさんが喜んでくれたので。今度は、糠漬けにでも挑戦してみようかと思って」

嫁思いな、良い旦那だな、ルーチェスは。

「ねぇ。そういう、嫁一途なところも俺にそっくりですよね」

「誰のことを言ってるんだろうな、お前は」

ルレイアの嫁って誰のことだろうな。

ってか、元皇太子が、自家製梅干しやら自家製糠漬けやら…。

どんどん所帯染みていってるな。

「最初は少し難しいからな。俺の『ルリシヤ特製★これぞお袋の味、秘伝の糠床』を少し分けて、継ぎ足して作ろう」

「ありがとうございます」

ルリシヤもルリシヤだけどな。

ジョロキア作ったり糠床作ったり…。もう、お前が自宅で核爆弾作ってたとしても驚かないよ、俺は。

「そんな訳だ、ルルシー先輩。今夜もお邪魔するよ」

「宜しくお願いしますね~」

「…」

「嫁に連絡しなくて良いのか?」

「あ、はいしておきます。『今夜は男の家に泊まって共同作業する』って」

…。

俺はくるりと振り向いて、べったりくっついているルレイアに尋ねた。

「なぁ、ルレイア」

「はい、何ですか?」

「突っ込みどころが多過ぎて、頭痛くなってきたときって、どうしたら良いと思う?」

「そうですねぇ。諦めるってのはどうですか?」

「…そうか」

俺も、そうした方が良いんじゃないかと思ってたところだよ。
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