The previous night of the world revolution5~R.D.~

sideセカイ

──────…お隣のフューニャちゃんと二人で、喫茶店でティータイム…。

と、言う名の井戸端会議中。

フューニャちゃんが、深刻な顔でこう聞いてきた。

「ところで、セカイさん」

「んー?」

「旦那さんの浮気は大丈夫ですか」

飲んでいた紅茶を、ぷはっ、と噴き出してしまうところだった。

「どうしたの、急に」

「妻たる者、夫の浮気には常に目を光らせていないと。特に新婚の間は、まだ独身気分が抜けず、他の女や男に移り気しないとも限りません」

冗談かと思ったら、フューニャちゃん、意外に真剣な目だった。

「もー。ルーチェス君は大丈夫だって」

「本当に?『仕事が…』とか言って、外泊したりしてませんか」

「外泊はたまにしてるよ。男の人の家に」

「…!!」

ルーチェス君、バイだって言ってたからね。

多分、男同士でしか出来ない、えっちぃことしてるんだろう。

ふむふむ、興味ある。

「良いんですか。放置しておいて」

「え~?大丈夫だよ。外泊はしてるけど、浮気とは違うんじゃないかな」

「根拠は?」

根拠?

「だって、朝に帰ってきたとき、『梅干し漬けてきました』って梅干しの瓶を持って帰ったり、糠床持って帰ったりしてるから」

師匠の後輩に、漬け方教えてもらったんだって。

最近、その糠床が良い感じになってきて。

今朝も、ルーチェス君特製の糠床で漬けたきゅうり、ご飯と一緒に食べたけど。

びっくりするくらい、美味しかった。

ルーチェス君天才だよ。

「それに、私は別にルーチェス君が他の人とえっちしても良いよ。ちゃんと私のところに帰ってきてくれるなら」

妻が妬くほど亭主モテもせず、なんて言うけどさ。

ルーチェス君、あれで結構モテるし。

イケメンだし育ちが良いしお金持ちだし。モテない訳がない。

愛人の一人や二人、いたっておかしくない。

ちゃんと帰ってきてくれるなら、誰と何処で何してても良いよ、私は。

しかし。

「…甘いですね」

「え?」

フューニャちゃんは、危機感を露にして、真剣な眼差しで私を見つめた。

あれ?私、何か変なこと言った?
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