The previous night of the world revolution5~R.D.~
「いったぁぁぁぁい!」

盛大に尻餅をついたセカイさんが、お尻をさすさす撫でながら立ち上がった。

「何やってるんですか?」

「何で避けるのよ!」

「あ、済みません…」

つい、反射的に。

撃たれたら避けろ、と教育されてるもんで。

「当たった方が良かったですか?」

セカイさんの飛び蹴りなら、別に当たっても大して痛くないし。

何ならワンモアやっても。

「もう良いよ!」

「あ、そうですか…。それと、飛び蹴りするなら、もうちょっと高く飛ばないと、さっきみたいに着地失敗しますよ」

「アドバイスもらわなくても結構です!」

そうですか。

「どうしたんですか、セカイさん…。いきなりテコンドーの練習なんて…」

「テコンドーの練習じゃないよ!ルーチェス君に、怒りの一撃を加えようと思ったの!」

え?僕に怒りの一撃を?

じゃあ、やっぱり避けない方が良かったのか。

「そうだったんですね。そうとも知らず、避けて済みませんでした。どうぞ、もう一回改めて。今度は避けないので」

「違うでしょ!そこは、『僕何かしました?』でしょ!」

「え?」

怒りの一撃を加えたいなら、ちゃんと発散した方が良いかと思ったんだが。

ほら、何事も溜めとくのは良くないだろ?

ルレイア師匠も言ってたし。

まぁ良い。セカイさんがそうして欲しいと言うなら。

「僕何かしました?」

「よく言えたわね!そんなことが!」

「いや、セカイさんが言えって…」

「しらばっくれるつもりなのね!ルーチェス君の好色男!色情魔!変態!えっち!スケベ!」

「はい」

「否定してよ!」

いや、ルレイア師匠の弟子だったら、それ全部褒め言葉だから。

むしろ、ちょっと嬉しかったくらいで。

よく分からないけど、僕、どうしたら良いんだろう。
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