The previous night of the world revolution5~R.D.~
とりあえず。
セカイさんが、何やら腹を立てているらしいことは分かった。
怒っている相手に対して、まず何をすべきか。
怒っている相手が嫌いな奴なら、唾でも飛ばしてやれば良いのだが。
セカイさんは、僕の好きな人なので。
「まぁ落ち着いてください。争いは争いしか生みません。お互い冷静になって、お茶でも飲みながら、ゆっくり話し合おうじゃありませんか」
「あ、うん…。じゃなくて!」
今、絆されそうになってませんでした?
「何でルーチェス君が悪いのに、私が勝手に怒ってるみたいになってるの!?」
「そう言われましても…。僕にとっては、あなたが勝手に怒ってるみたいにしか見えないので…」
「ルーチェス君が!悪いの!お姉ちゃんを怒らせたの!分かる!?」
「はぁ…。そうなんですか」
「悪いことしたら!謝らなきゃいけないの!」
「はい。ごめんなさい」
「謝れば良いってものじゃないの!」
僕は一体どうしたら良いんですか?
困ったなぁ。
ルレイア師匠だったら、多分この時点でベッドに押し倒して「黙らせる」んだろうけど…。
ルレイア師匠の弟子として、僕もそうするべき?
話が長くなってきたら、そうしよう。
「何に怒ってるのか教えてもらって良いですか?」
「身に覚えがないって言うのね?」
「はい」
「浮気よ、う・わ・き!不倫!」
…浮気。
不倫。
はぁ。
「したでしょ!?浮気!お姉ちゃんに隠れて!こっそり!男の人とか女の人とか、不特定多数の人とやらしいことしたでしょ!」
「あぁ…。成程」
「成程って何!?認めるのね!?」
「いや待ってください。今の成程は、話を理解したという意味です」
「何よ。言い訳があるなら聞いてあげても良いよ」
言い訳と言うか…。弁解と言うか…。
とりあえず、話し合いをする必要があるということは分かった。
「まずは、セカイさんと僕の間で、『不貞行為』という言葉の定義を擦り合わせる必要がありますね」
「…?」
「いじめやパワハラは、やった側に全くその自覚がなくても、やられた側が不快だと判断したら、それはいじめ、及びパワハラだと認定されます。不貞行為もそれと同じで、一方がセーフだと思ってやった行為でも、その配偶者がアウトだと思ったら、不貞行為として成立するってことです」
「…??よく分かんないこと言って、お姉ちゃんを誤魔化そうとしてない!?」
いや、説明してるつもりなんだけど。
つい理詰めみたいになっちゃうのは、僕の悪い癖で。
「まぁ要するにですよ。僕とセカイさんの間で、何処までが浮気としてセーフで、何処からがアウトか、そのボーダーラインを決めておかなかったのがいけなかったってことです」
お互いのボーダーラインが違っていたら、軋轢が生じるのは自明の理。
そりゃ、こういうぶつかり合いが起きるのは明白というものだ。
「例えば、僕は不貞行為というのは、配偶者以外の人間と、隠れて逢い引きをしたり、手を繋いだり、接吻したりセックスしたりすることだと思ってますけど」
「うん」
「もしかしたらセカイさんにとっては、そもそも他の女性と話すこと自体、他の人間と目を合わせること自体、不貞行為だと認識しているかもしれない」
「…うん?」
「セカイさんは、何処からが浮気だと思ってます?」
「…」
もし、セカイさんにとっての浮気ボーダーラインが。
「自分以外の人間と接触すること」であった場合。
僕は、最早この家から一歩も出ることなく、引きこもり生活をしなければならなくなるな。
セカイさんが、何やら腹を立てているらしいことは分かった。
怒っている相手に対して、まず何をすべきか。
怒っている相手が嫌いな奴なら、唾でも飛ばしてやれば良いのだが。
セカイさんは、僕の好きな人なので。
「まぁ落ち着いてください。争いは争いしか生みません。お互い冷静になって、お茶でも飲みながら、ゆっくり話し合おうじゃありませんか」
「あ、うん…。じゃなくて!」
今、絆されそうになってませんでした?
「何でルーチェス君が悪いのに、私が勝手に怒ってるみたいになってるの!?」
「そう言われましても…。僕にとっては、あなたが勝手に怒ってるみたいにしか見えないので…」
「ルーチェス君が!悪いの!お姉ちゃんを怒らせたの!分かる!?」
「はぁ…。そうなんですか」
「悪いことしたら!謝らなきゃいけないの!」
「はい。ごめんなさい」
「謝れば良いってものじゃないの!」
僕は一体どうしたら良いんですか?
困ったなぁ。
ルレイア師匠だったら、多分この時点でベッドに押し倒して「黙らせる」んだろうけど…。
ルレイア師匠の弟子として、僕もそうするべき?
話が長くなってきたら、そうしよう。
「何に怒ってるのか教えてもらって良いですか?」
「身に覚えがないって言うのね?」
「はい」
「浮気よ、う・わ・き!不倫!」
…浮気。
不倫。
はぁ。
「したでしょ!?浮気!お姉ちゃんに隠れて!こっそり!男の人とか女の人とか、不特定多数の人とやらしいことしたでしょ!」
「あぁ…。成程」
「成程って何!?認めるのね!?」
「いや待ってください。今の成程は、話を理解したという意味です」
「何よ。言い訳があるなら聞いてあげても良いよ」
言い訳と言うか…。弁解と言うか…。
とりあえず、話し合いをする必要があるということは分かった。
「まずは、セカイさんと僕の間で、『不貞行為』という言葉の定義を擦り合わせる必要がありますね」
「…?」
「いじめやパワハラは、やった側に全くその自覚がなくても、やられた側が不快だと判断したら、それはいじめ、及びパワハラだと認定されます。不貞行為もそれと同じで、一方がセーフだと思ってやった行為でも、その配偶者がアウトだと思ったら、不貞行為として成立するってことです」
「…??よく分かんないこと言って、お姉ちゃんを誤魔化そうとしてない!?」
いや、説明してるつもりなんだけど。
つい理詰めみたいになっちゃうのは、僕の悪い癖で。
「まぁ要するにですよ。僕とセカイさんの間で、何処までが浮気としてセーフで、何処からがアウトか、そのボーダーラインを決めておかなかったのがいけなかったってことです」
お互いのボーダーラインが違っていたら、軋轢が生じるのは自明の理。
そりゃ、こういうぶつかり合いが起きるのは明白というものだ。
「例えば、僕は不貞行為というのは、配偶者以外の人間と、隠れて逢い引きをしたり、手を繋いだり、接吻したりセックスしたりすることだと思ってますけど」
「うん」
「もしかしたらセカイさんにとっては、そもそも他の女性と話すこと自体、他の人間と目を合わせること自体、不貞行為だと認識しているかもしれない」
「…うん?」
「セカイさんは、何処からが浮気だと思ってます?」
「…」
もし、セカイさんにとっての浮気ボーダーラインが。
「自分以外の人間と接触すること」であった場合。
僕は、最早この家から一歩も出ることなく、引きこもり生活をしなければならなくなるな。