The previous night of the world revolution5~R.D.~
さて、猥談で俺の気を逸らす者がいなくなったので。

ようやく、仕事に集中出来ると思ったら。

「こんにちはールレイア師匠」

「うわぁぁぁぁ!」

俺は、思わずびくっとしてしまった。

いきなり、何の物音もなく。

背後から、ルーチェスがやって来た。

「あれ?ルレイア師匠は…?」

「お、お、お前…」

心臓が、まだばくばく言ってる。

ふざけやがって。

「お前…!ルレイアやルリシヤみたいなことをするな!」

「俺を呼んだかルルシー先輩」

「あぁぁぁぁ!?」

またしても、背後からにゅっ、と。

今度は、ルリシヤが現れた。

お前ら。後輩にその侵入法を伝授するな。

「どうした、ルルシー先輩。そんな愉快な顔をして…。とりあえず、写真に撮っておこう」

ぱしゃっ。

やめろ。

「何しに来たんだよお前らは!?」

「僕はルレイア師匠に会いに…」

「俺はルルシー先輩の部屋に、カメラを仕掛けに…」

ルーチェス、お前は良い。

だがルリシヤ、お前は駄目だ。

叩き出すぞこの野郎。

まぁ、叩き出した傍から、また侵入してきそうではあるが。

「ルルシーさん。今日、ルレイア師匠は?」

「今出掛けてるよ…。しばらくしたら帰ってくると思うけど」

丁度今、入れ違いだ。

「なぁんだ。仕方ないですね。じゃ、先日買ったばかりの新作BLコミックでも読みながら、待っているとしましょう」

ルーチェスはそう言って、俺の執務室のソファに寝そべって、コミック本を広げた。

おい、何でここで待つ。

ってか何読んでんだお前は!

もう、表紙からしてR18。

しかも男と男の。

間違いなく、お前はルレイアの弟子だよ。

「そうか、ルレイア先輩は出掛けたのか…。仕方ない。じゃあ、一人で仕掛けるか…」

やれやれ、といった風に俺のデスクの隅を、ドライバーか何かでカチャカチャやり出すルリシヤ。

仕掛けるな。

ってか本人の前でやるなよ!

駄目だ…。もう、自由過ぎる奴が多くて、頭が痛い…。

すると。

「へーいルル公!ナステマー!」

「アリューシャ。それを言うなら、ナマステ、ね」

更に頭の悪そうな親子(主に子)が、俺の執務室にやって来た。
< 563 / 627 >

この作品をシェア

pagetop