The previous night of the world revolution5~R.D.~
隠し扉の先は、地下に続く階段があった。

俺達は、階段を駆け降りた。

階段の一番下に辿り着くと、そこには鉄の扉があって、南京錠で施錠されていた。

ここは…。

「…ルリシヤ、これは開けられるか?」

「見たところ、何の仕掛けもない普通の南京錠だな。こんなものは朝飯前だ」

ルリシヤはそう言うなり、秒で解錠してくれた。

早っ。

さて、扉の先に何が出てくるか…。

俺は、拳銃を強く握り締めた。

ここは地下だから、アリューシャの援護は期待出来ない。

俺達二人で行くしかない。

「…ルレイア。隠し扉の先に地下室を見つけた。これから潜入する」

『分かりました。くれぐれも気をつけて。中衛のシュノさんを応援に回します』

「頼む」

『シュノさん。直属部隊と一緒に、前衛の応援頼みます』

「分かったわ」

後ろは、シュノ達が固めてくれている。

俺達は、前に進むのみ。

俺は傍らのルリシヤに声をかけた。

「ルリシヤ、俺が先行する。お前は後ろに続け」

「何でだ。そこは逆だろう。俺が先行するからルルシー先輩が後ろについてくれ」

「断る。前から言おうと思ってたが、お前らは自分から危険に突っ込み過ぎる。ちょっとは大人しくしとけ」

「そんなこと言ってルルシー先輩、MVPをかっさらおうと…」

「良いから後ろについてこい!」

俺に万一があっても、ルリシヤなら上手くやるだろう。

俺は意を決して、鉄の扉を素早く開け、中に飛び込んで拳銃を構えた。

しかし。

「…!?」

そこに敵構成員は、一人もいなかった。

代わりに、ボロボロの姿で横たわるアイズレンシアが、そこにいた。
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