The previous night of the world revolution5~R.D.~

sideルレイア

──────…その日。

俺は、いつも通りルルシーと楽しく戯れていた。

「ルルシ~。遊びましょうよ~ねぇ~」

「遊ばねぇよ…。俺はな、お前と違って忙しいの。分かったか」

「カラオケ行きましょうよ~。か、ら、お、け!ねぇ~」

「…はぁ…」

何その官能的な溜め息。

もしかして俺、誘われてる?

「…ルルシー愛してる!」

「うわっ、何だよいきなり!」

抱きついたら、ルルシーはびくっとしていた。

うふふ。

…にゅふ。

すると、更にそこに。

「失礼するぞルルシー先輩!」

「うわぁぁっ!びっくりした」

ルルシーの背後から、にゅっ、とルリシヤがやって来た。

その驚いた顔、素敵。

「お、お前な…!もう諦めたから、勝手に来るのは良いけど…!ちゃんとドアから入ってこい!ワープするな!」

「今日は二人に、新しいマジックを披露しようと思ってな」

「話を聞け貴様」

「わぁい。どんなマジックですか?」

最近のルリシヤ、マジックにハマっているらしく。

よく、新作のマジックを披露してくれる。

そしてルリシヤ以上に、ルリシヤマジックにドハマりしているのが、アリューシャである。

「今日のマジックには、コインを使う」

ルリシヤは、一枚のコインを取り出した。

一見何の変哲もない、普通のコインだが。

そのコインを机に置き、手のひら全体でぐっ、と押し付ける。

ルリシヤがコインを押し付ける手を退かした途端。

「…!?」

そこに確かにあったはずのコインが、何処かに消えていた。

「ちなみに、手には持ってないぞ」

ルリシヤが両手を広げて見せ、コインを手のひらに隠し持ってないことを証明する。

ふむ…。

「ど…何処に消えたんだ?」

「今から見せよう」

ルリシヤは、パチンッと指を鳴らし。

再び机に手のひらを押し付け、ぐっと押す。

すると。

「ほら、この通り」

先程まで何もなかったはずの机に、コインが復活していた。

ほほう。

「すげぇ…。どうなってんだ、それ…」

これにはルルシーもびっくり。

「これぞ、ルリシヤマジック。どうだ。楽しんでもらえただろうか?」

「いや…。楽しいのは楽しいけど、それより俺は、お前がいつも何処から侵入してるのかの方が、よっぽどマジック、」

「それでは、またマジックを見たくなったら俺を呼んでくれ」

「おい、コラ」

ルリシヤは、マジックだけ見せて、颯爽を去っていった。

…ふむ。

「ったく、あいつと来たら…」

ルルシーは溜め息をついて、デスクに肘をついたが。

「…ルーチェス。います?」

「いますよ」

「うわぁぁっ!?」

声をかけるなり、さっ、とルルシーの背後に現れたルーチェス。

さすが、俺の弟子である。

「お、お前。お前ら、ど、何処に潜んで、」

ルルシーの萌え顔を堪能するのも良いのだが。

今は、それ以上に。

「ちょっと頼みたいことがあるんですけど、良いですか?」

「ルレイア師匠の頼みとあれば」

これは早急に、手を打たなくてはならない。
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