The previous night of the world revolution5~R.D.~
…ルレイアである。

大型のバイクに乗り、玩具の拳銃を掲げ。

大きな濃いサングラスをかけ、腰に玩具の警棒を差し。

警官風のゴスロリ衣装を身に付け、黒い十字架つきの警官帽を被っていた。

…ルレイア、ゴスロリ警官コスプレバージョン。

…何やってんの?お前。

「…なんかあったのか?」

「止まれ!ゴスロリ警察だ!」

ゴスロリ警察って何だよ。

「…よく知らんけど、俺は帰るぞ」

お前が何をしたいのか知らんが、俺は帰る。

付き合ってられん。

「そうは行かない!貴様には令状が出ている!ご同行頂こう」

は?

「俺が何を悪いことをしたんだよ?」

マフィアであること以外に、俺に何の罪が?

「ルティス帝国ゴスロリ憲法違反である!」

「…??」

「貴様!まさか誉れ高き我が国のゴスロリ憲法を知らないのか!?」

むしろ、知ってる人がいたら紹介して欲しいんだけど。

俺の知らない間に、いつそんな憲法が?

「この非国民!」

いや、非国民って言われても。

「何だよ、ゴスロリ憲法って…」

「ゴスロリ憲法第一条!全て国民は、いついかなるときもゴスロリ服を着用することを義務とする!」

そんなルティス帝国は嫌だ。

俺は今すぐ、アシスファルト帝国か、箱庭帝国に亡命する。

「貴様はこの国民の義務に違反し、ゴスロリ服を着用していない!よって、今すぐ逮捕する!」

「…何だよそれは…」

何がやりたいのか知らんが。

俺は付き合わないぞ。こんな茶番には。

何がゴスロリが国民の義務だ。

ルレイアとシュノ以外、全員逮捕じゃねぇか。

無視して帰ろうと踵を返すと。

俺を挟むように、前方から大型バイクが走ってきた。

!?

「止まれ!ゴスロリ警察だ!」

「お、お前…!?」

ルーチェスだった。

ルーチェスが、ルレイアと同じゴスロリ警官衣装を着て、玩具の拳銃を構えていた。

…お前まで、染まってしまったと言うのか。

この世に救いはないのか。

ってか、大型バイク乗れたのか。まさか無免許じゃないよな。

「逃げ場はないぞ!大人しく手を上げて、降参しろ!」

「そうだ!今すぐヘルメットを被って、後ろに乗れ!」

「…本物の警察を呼ぶぞ、お前ら」

「いやんルルシー。それは言わないお約束!」

おい。素が出てるぞ。

…何がやりたいのか知らんけど。

「…分かったよ。行けば良いんだろ」

俺はルレイアからヘルメットを受け取り、ルレイアの後ろに乗った。
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