The previous night of the world revolution5~R.D.~
「うぉっ!?」
執務室のデスクに座るルリシヤを見るなり、アリューシャはびくっ、と身体を震わせた。
ルリシヤが、ごっついガスマスクをつけていたからである。
…何をしてるんだろ。
「…おい、おいルリシヤ」
ルルシーが声をかけた。
「お前、何やってんだ」
「これか?これは、全国の主婦の悩みを解決しようと、手作りホウ酸団子を作ってる」
成程。それは大事だな。
「ただのホウ酸団子じゃないぞ。俺が独自配合したチョメチョメとチョメチョメとチョメチョメを混ぜ、殺傷能力を高めた特別製だ。これを台所回りに置けば、たちまちGとはおさらばだ」
「…」
ドン引きのルルシー。
いやいや、大事だと思うよ?金取れるよ多分。
だが。
「…解決しなきゃならないのは、主婦の悩みではなくて、あなたの悩みでは?」
「…」
ルリシヤはホウ酸団子を作る手を止め、顔を上げ。
ガスマスクを外した。
その下には、ちゃんと仮面もつけていた。
仮面の上に、ガスマスクってつけられるんだなって。
「…それで、徒党を組んで俺のところに来たのか」
「そうですね」
「そうか…。上手く隠していたつもりだったんだが。気づかれてたか」
「えぇ。気づいてましたよ。気づいてない振りをしていただけで」
「そのまま、気づかない振りをしていてくれても良いんだぞ」
「お前…!」
突き放すような言葉に、ルルシーは怒りを露にしようとしたが。
それを諌め。
「あなたが自分で何とか出来ることなら、気づかない振りをしてても良いんですけど」
「…」
「でも、そうじゃないんでしょう?」
「…」
その無言は、肯定か。
「教えてくれませんか。あなたが、今何を抱えているのか」
「…何処まで知ってる?」
「あとはあなたから一言、『そうだ』と言ってもらえれば真実に辿り着くところまで」
「…成程。ルーチェスだな?そんなところまで調べたのは」
「えぇ、まぁ」
悪戯っぽく笑うルーチェス。
いや、ルーチェスが悪い訳じゃない。
「俺がルーチェスに頼んで、調べてもらったんですよ」
ルーチェスがいなかったら、真相に辿り着くにはもっと時間がかかっていただろう。
もしかしたら、そのときにはもう、取り返しがつかなくなっているかもしれない。
「そうか…。ルーチェスの存在を失念していたな。入り込もうと思えば、入り込めない場所はないんだった」
「いやぁ、僕にも限界はありますけどね」
「迂闊だったな。完璧に隠しているつもりで、隠しきれないとは」
「前もそうだったじゃないですか」
『セント・ニュクス』のときもそう。
一人で抱え込んで、一人で何とかしようとして。
でも、一人ではどうにも出来なくて。
学習してくれ。
「向いてないんですよ、あなた。自分で何とかするの」
「…耳が痛いな」
「だったらそんなときは、頼れば良いんです。あなたの周りには、こんなに頼り甲斐のある仲間が…家族がいるんだから」
「…あぁ、そうだな」
何もかも、一人で抱え込む必要はない。
ここにいるのは、誰もがルリシヤの味方なのだから。
執務室のデスクに座るルリシヤを見るなり、アリューシャはびくっ、と身体を震わせた。
ルリシヤが、ごっついガスマスクをつけていたからである。
…何をしてるんだろ。
「…おい、おいルリシヤ」
ルルシーが声をかけた。
「お前、何やってんだ」
「これか?これは、全国の主婦の悩みを解決しようと、手作りホウ酸団子を作ってる」
成程。それは大事だな。
「ただのホウ酸団子じゃないぞ。俺が独自配合したチョメチョメとチョメチョメとチョメチョメを混ぜ、殺傷能力を高めた特別製だ。これを台所回りに置けば、たちまちGとはおさらばだ」
「…」
ドン引きのルルシー。
いやいや、大事だと思うよ?金取れるよ多分。
だが。
「…解決しなきゃならないのは、主婦の悩みではなくて、あなたの悩みでは?」
「…」
ルリシヤはホウ酸団子を作る手を止め、顔を上げ。
ガスマスクを外した。
その下には、ちゃんと仮面もつけていた。
仮面の上に、ガスマスクってつけられるんだなって。
「…それで、徒党を組んで俺のところに来たのか」
「そうですね」
「そうか…。上手く隠していたつもりだったんだが。気づかれてたか」
「えぇ。気づいてましたよ。気づいてない振りをしていただけで」
「そのまま、気づかない振りをしていてくれても良いんだぞ」
「お前…!」
突き放すような言葉に、ルルシーは怒りを露にしようとしたが。
それを諌め。
「あなたが自分で何とか出来ることなら、気づかない振りをしてても良いんですけど」
「…」
「でも、そうじゃないんでしょう?」
「…」
その無言は、肯定か。
「教えてくれませんか。あなたが、今何を抱えているのか」
「…何処まで知ってる?」
「あとはあなたから一言、『そうだ』と言ってもらえれば真実に辿り着くところまで」
「…成程。ルーチェスだな?そんなところまで調べたのは」
「えぇ、まぁ」
悪戯っぽく笑うルーチェス。
いや、ルーチェスが悪い訳じゃない。
「俺がルーチェスに頼んで、調べてもらったんですよ」
ルーチェスがいなかったら、真相に辿り着くにはもっと時間がかかっていただろう。
もしかしたら、そのときにはもう、取り返しがつかなくなっているかもしれない。
「そうか…。ルーチェスの存在を失念していたな。入り込もうと思えば、入り込めない場所はないんだった」
「いやぁ、僕にも限界はありますけどね」
「迂闊だったな。完璧に隠しているつもりで、隠しきれないとは」
「前もそうだったじゃないですか」
『セント・ニュクス』のときもそう。
一人で抱え込んで、一人で何とかしようとして。
でも、一人ではどうにも出来なくて。
学習してくれ。
「向いてないんですよ、あなた。自分で何とかするの」
「…耳が痛いな」
「だったらそんなときは、頼れば良いんです。あなたの周りには、こんなに頼り甲斐のある仲間が…家族がいるんだから」
「…あぁ、そうだな」
何もかも、一人で抱え込む必要はない。
ここにいるのは、誰もがルリシヤの味方なのだから。