The previous night of the world revolution5~R.D.~
「こんにちはー、アイズ、アリューシャ」

俺とルルシー、シュノさん、ルリシヤの四人は、二人が入院している『青薔薇連合会』傘下の系列病院を訪ねた。

勿論、お見舞いの品を持って、だ。

「あぁ、皆…。来てくれたんだね」

アイズはベッドに横たわっていたが、目を覚ましていた。

あの後、医療班の手に渡り、全身麻酔をかけられるまで、アイズはしっかり頑張って、意識を保っていたそうだ。

立派なものだ。

幸いなことに、アイズの傷は深く、出血も多かったものの、致命傷となる傷はなかった。

拷問というのは口を割らせる為の行為であって、殺してしまっては元も子もないので、当然と言えば当然だが。

無事で良かった。

不幸だったのは、アリューシャである。

アリューシャはあの後、「アイズを無事に保護した。意識もある」とインカムで伝えたところ、そこから一切応答がなくなった。

まさか敵の刺客が、と駆けつけてみると、アリューシャは狙撃ポイントで大の字になって、白目を剥いていた。

これが笑い話で済めば良いのだが、アリューシャは結局、無理な狙撃のせいでやっぱり肋骨を一本折り。

更に全身凄まじい筋肉痛で、指一本動かせない有り様だった。

アイズと一緒にベッドに収まって、三日は安静にしておかなければならない。

と言うか、痛みのせいで動けないだろうから、安静にせざるを得ないはずだったのだが。

目を覚まして、隣にアイズの姿を見つけるなり、「アイ公~!」とか叫んで飛び付こうとして、でも身体が動かないせいでベッドから崩れ落ち。

結果、床で呻いているところを、巡回中の看護師に発見されたそうだ。

これが笑い話になる日は、まだまだ先のようだ。
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