The previous night of the world revolution5~R.D.~
「ひゃっほぉぉぉぉう!シャバの空気うんめぇぇ!」

アリューシャは、かつてないほどにハイテンションだった。

シャバって。

「『青薔薇連合会』の超絶スナイパーアリューシャ!ただいま『かいせん』!」

「…ルレイア。かいせんって何?」

こそこそ、と聞いてくるシュノさん。

「アリューシャ専門通訳家のアイズがいないので、正確には分かりませんが…。文脈からして、多分『凱旋』って言いたかったんじゃないかと」

「あっ、成程…」

やっぱり専門家がいないと分かんないね。

俺も色んな言語を極めてきたが、アリューシャ語はなかなか難しい。

「やっほぉぉぉう!これであのマッズい病院食とはおさらばだぜ!あばよ!一昨日来やがれ!」

テンション高いなぁ本当に。

退院がよっぽど嬉しいと見える。

「帰ってきたのは良いが…。喧しい奴だ…」

溜め息をつくルルシー。

まぁまぁ、俺達の普段の日常に少し近づいたと思えば、このくらい。

あとはアイズが帰ってきたら、完璧だな。

「ルル公!飯くれ!飯作って!ルルご飯!」

「はぁ…?」

「もう病院食嫌なんだよ!くっそ不味かったの!ルルご飯で口直しさせて!」

早速、ルルシーにご飯要求。

「ルリ公でも良い!美味しいものアリューシャに食べさせて!」

「任せてくれアリューシャ先輩。病院食で貧しくなった舌を、見事肥えさせてやるから」

「やったぜ!」

アリューシャ、渾身のガッツポーズ。

そんなに嫌だったか。病院食。

元々偏食気味のアリューシャには、相当辛かった様子。

「さぁ、二人で頑張ろうかルルシー先輩」

「何で俺まで…。…まぁ、今回は良いか。退院祝いだ」

「じゃ、俺もルルシーご飯のご相伴に預からせてもらうとしますか。ね、シュノさん!」

「うんっ、ルレイア」

「お前ら…。…まぁ、良いか。いつものことだ」

そうそう、いつものこといつものこと。

いつものことを繰り返してるくらいが、丁度良いのだ。
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