The previous night of the world revolution5~R.D.~
午後、俺はいつものように、ルルシーの執務室を訪ねた。

示し合わせたように、シュノさんやアリューシャ、アイズ達が集まってきた。

最初の頃はぶつくさ言っていたルルシーだが、最近では諦めたようで。

俺達が執務室に遊びに来ても、何も言わない。

ルルシーも、きっと喜んでくれてるんだろう。

え?呆れて諦めてるだけ?

何か言いました?

「そういえば、来てないね」

「ルリ公何処行ったんだ?」

「おかしいわね…。何で来てないのかしら」

「本当。おかしいですね、シュノさん」

「…いや、おかしくないだろ。当たり前のように毎日来てるお前らがおかしいんだ」

あれ?ルルシーが何か言ってる。

よく聞こえなかったなー。

「きっと自分のカジノにでも行って、仕事してるんだろ。お前らも少しは真面目にしご、」

「俺を呼んだかルルシー先輩」

「うわぁぁっ!?」

ルルシーの、背後から。

にゅっ、とルリシヤが現れた。

あら、いらっしゃい。

「お、おまっ…。ど、何処から…」

ルルシーの驚いてる顔…。

…にゅふ。

「今日は遅かったですねルリシヤ、何処行ってたんですか?」

「いや、それがな?本当は昼までに帰ってくる予定だったんだよ。それなのに、帰り道で足止めを食ってしまって」

「足止め…?」

とは、一体?

どっかのアホが事故って、通行止めになってたとか?

「宗教勧誘だ。駅前で10人くらいがパンフレット配りながら演説しててな」

「宗教勧誘…」

「あぁ。神を信じてるかとか、人を愛しているかとか何とか、しつこく食い下がられてな」

…あー…。

「断ってるのにパンフレットを押し付けようとするから、突き返して、『俺が神だ!』って絶叫して帰ってきた」

発想が俺と同じだね。

やっぱり俺達、似た者同士だよルリシヤ。

「お陰で来るのが遅くなってしまったよ。悪かったな、ルルシー先輩」

「いや、別に…。ってかお前、何処から入ってきた…?」

いやん。それは秘密。

「それにしても、ルリシヤも宗教勧誘に会ったんですね」

「も…と言うことは、ルレイア先輩も?」

「なんか、二ヶ月くらい前に、通りすがりに聞かれましたよ。神を信じてるか、って」

あのときはハイになってたから、素で答えちゃったけど。

「でも、あのときは一人だけだったんですよね。今日は10人もいたんですか」

「あぁ。通りかかる人全員に、勧誘して回ってた」

それは凄いね。

勧誘の仕方が露骨って言うか…。

「…つかぬことを聞くけど、ルリシヤ」

何かを考え込むようにしていたアイズが、ルリシヤに問いかけた。

「その宗教って、もしかして『天の光教』?」

「よく分かったな。それだ」

あぁ。俺が勧誘されたのもそれだったな。

何?流行ってんの?

名前からして、あからさまにインチキっぽいんだけど。

「そうなんだ…」

アイズは、それ以上は何も聞かなかった。

何だか意味ありげな顔をしていて、何か思うところがあるのかと、聞こうと思ったが。

その前に。

「そんなことよりさ!もうすぐ『frontier』のライブだよな!楽しみだな!」

もっと関心のある話題を、アリューシャが口の端に上らせた。
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